“巴旦杏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はたんきょう67.6%
はたんきやう14.7%
アマンド8.8%
あめんどう2.9%
はだんきやう2.9%
はだんきょう2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
部屋の中央まんなかの辺りに一基の朱塗りの行燈あんどんが置いてあって、んだ巴旦杏はたんきょうのような色をした燈の光が、畳三枚ぐらいの間を照らしていた。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
片手に二人分の巴旦杏はたんきやうをかかへ、片手にいつものステッキの代りに蝙蝠傘を突きながら、とつととそのコッテエヂの方へ歩いてゐた。
巣立ち (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
籠手こてをかざして眺むれば、キャンヌの町を囲むレステレエルの山の斜面の裾から頭頂いただきまで、無数に散在する粋で高尚な荘館シャトオ別荘ヴィラ——その間では、いまや霞のような巴旦杏アマンドの花盛り
行けば行くほど広くなる谿は、いつの間にか、白楊や樫や、糸杉などがまるで、満潮時みちしおどきの大海のように繁って、その高浪の飛沫しぶきのように真白な巴旦杏あめんどうの花が咲きこぼれている盆地になりました。
地は饒なり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
あんず巴旦杏はだんきやう。杏は二本とも若木であるが、巴旦杏は本當ならいま實を結ぶわけであつた。花は咲いたが、どうもこの木、枯れるらしい。
たべものの木 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
彼等の体は巴旦杏はだんきょうの型をして一方の端は円くなり他の方は尖つてゐて、皮のやうな見かけをしてゐる。それを蛹といふのだ。それは、虫と蝶との二つの資格の中間のものだ。