加護かご)” の例文
饗応役きょうおうやくの家臣たちは勿論のこと、君侯生涯の大命である。肌着にはけがれのない晒布さらしち、腹巻には天の加護かごを祈って、神札まもりを秘めている者もあった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてこのとおかみさまのあらたかな加護かごのある上は、もうおに退治たいじしたも同然どうぜんだと心強こころづよおもいました。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
どうか加護かごにあずかりたいとおもって、自分じぶんかみしげもなくって、たてまつったのであります。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
幸いに仏陀ぶっだ加護かごで命だけは助かって一ヵ月余経ってから大分に書面をしたため、書物を見る事が出来るようになった。それから後にたずねて来る人は実に沢山でありました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
しつゝなさあるいへ乳貰ちもらひにおもむ漸々やう/\にしてそだつれ共ちゝたらざれば泣しづむ子よりもなほかなしく思ひ最う此上は神佛しんぶつ加護かごあづかるより他事無しと吉兵衞は祇園ぎをん清水きよみづ其外靈場れいぢやう祈誓きせいかけ精神せいしん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
助けんには神佛しんぶつ加護かごに非ざれば爲難なしがたし幸ひ遠州秋葉三尺ばう應護おうご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「それでも、死ななかったのは、お地蔵じぞうさまのお加護かごです」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
取りあげ如何にも痩衰やせおとろへたる其體そのてい千辛萬苦の容子ようす自然と面に顯はれたり正直しやうぢきかうべやどり給ふ天神地祇云ずかたら神明しんめい加護かごにや大岡殿夫婦のていいと憐然あはれに思されコリヤ九助其の方は如何なる意趣いしゆ有て親類縁者えんじやたる惣内夫婦を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あめつちは、義胆ぎたんの士に加護かごあり給え
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)