輿ごし)” の例文
こうした洛内へ、やがて伊吹の太平護国寺からは、光厳帝をはじめ、後伏見、花園たちのとらわれ輿ごしが、佐々木家の手で送り返されてきた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つかのま、ご一すいもあって、みかどは左のひじの矢傷を白布で巻き、ここからは怪しげなあじろ輿ごしの内になって行かれた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鹵簿ろぼ還幸かんこうには、全山お名残りを惜しんで、聖武の帝のいにしえもかくやと、みな申しはやしたものでしたが……今、やつれ輿ごしにて、ここへ御避難あらせ給うと聞くや
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただし護送輿ごしの足なみ。いやでも道ははかどらない。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帝には、あじろ輿ごしを。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜ごと夜ごとの忍び輿ごし
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)