“みこし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミコシ
語句割合
御輿47.8%
神輿41.9%
見越5.9%
輿1.5%
神興1.0%
鳳輦0.5%
輦輿0.5%
御神輿0.5%
身躰0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壁に寄せて古甕ふるがめのいくつか並べてあるは、地酒が溢れて居るのであらう。今は農家は忙しい時季ときで、長く御輿みこしゑるものも無い。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
漸く神輿みこしをあげた平次ですが、外の風に當るとはずみがついて、まだ晝をあまり廻らぬうちに、加州樣下屋敷隣の百草園に着きました。
「もとは柳橋やなぎばしにいた奴だよ、今は、駒形堂こまがたどうの傍に、船板塀ふないたべい見越みこしまつと云う寸法だ、しかも、それがすこぶるの美と来てるからね」と小声で云って笑顔わらいがおをした。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
若し始めっから潰す量見で来たんならもう少し潰しでのあるところへお輿みこしを据えたらいいだろう。
栄蔵の死 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
獄塀へい外に子供神興みこしの行くらしく笛と太鼓と聴えて楽し
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
賢所かしこどころの神器を、玉体にお添えし、鳳輦みこしへと、おき立てはしたものの、それをかつぐ駕輿丁かよちょうの者はいず、ぜひなく、衛府の士が前後をにないまいらせる。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とは、古典にみえる浩嘆こうたんであるが——この炎をうしろに、叡山東坂本へと落ち行った鳳輦みこし供奉ぐぶの人々にしても、それぞれの感や反省のいたみに、足も心もそぞろであったに違いあるまい。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
薄絹張うすきぬばり雪洞ぼんぼりに西洋蝋燭ろうそくを燈したるものが二十四はりばかり吊してある。輦輿みこしの中にシナの立派なる官服を着け、頭にはいわゆる位階を表わしたる帽子を被ってジーッと坐り込んで居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ことに夜の事で市中に輝いて居る幾万のバタの燈明とうみょうは、幾千百のガス燈のごとく白く明かな光を放ってある。その所へ美麗びれいに飾った雪洞ぼんぼり付の輦輿みこしに乗って行くのですから余程綺麗です。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「だから變ぢやありませんか、ね親分、ちよいと御神輿みこしをあげて——」
立退たちのかうと云ふを夫三五郎が止めて烟草入を證據しようこに富右衞門にかぶせる上は立退たちのくに及ばぬ急に立去たちさらば却つて疑惑うたがひかゝると云れてお前は氣が付身躰みこしすゑたでは無か其時に三十兩と云ふ金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)