鳳輦みこし)” の例文
賢所かしこどころの神器を、玉体にお添えし、鳳輦みこしへと、おき立てはしたものの、それをかつぐ駕輿丁かよちょうの者はいず、ぜひなく、衛府の士が前後をにないまいらせる。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とは、古典にみえる浩嘆こうたんであるが——この炎をうしろに、叡山東坂本へと落ち行った鳳輦みこし供奉ぐぶの人々にしても、それぞれの感や反省のいたみに、足も心もそぞろであったに違いあるまい。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、急にひとごちして、鳳輦みこしのおそばへ走ってゆき、あたりの公卿へこう告げた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)