輿くるま)” の例文
老婆は喜んで柳の住所を問い、女を後かられてゆくから、輿くるまに乗って早く帰って仕度をしておけ、そして界方を印に遺しておけといった。
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
彼の妻は、盛装をこらし、美々しい輿くるまに乗って、大将軍郭汜夫人を訪問に出かけた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふと見ると羽葆はねがさをさしかけた人馬の行列が水面にあらわれた。王者は舟からおりてその輿くるまに乗ったが、そのまま見えなくなってしまった。舟の中一ぱいにいた女達ももういなくなっていた。
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
そこで輿くるまをやとって一緒に帰ろうとした。阿繊は悲しそうにいった。
阿繊 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
鄭は官が吏部郎までいったが、間もなくくなった。阿霞はその葬式を送って帰って来たが、その輿くるまけてみると中は空になって人はいなかった。そこで始めて阿霞が人でないということを知った。
阿霞 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)