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五錢
此のまゝだと、もう
一音信の
料金を、と
言ふのであつた。たしか、
市内は
一音信金五錢で、
局待の
分ともで、
私は
十錢より
預つて
出なかつた。
送るや
可惜若木の
花におくれて
死ぬべき
病は
癒たるものゝ
僅か
手内職の
五錢六錢露命をつなぐ
術はあらじを
怪しのことよと
尋ねるに
澆季の
世とは
聞くものゝ
猶陰徳者なきならで
此薄命を
紅葉先生の
辭句を
修正したものは、
恐らく
文壇に
於て
私一人であらう。そのかはり
目の
出るほどに
叱られた。——
何、
五錢ぐらゐ、
自分の
小遣ひがあつたらうと、
串戲をおつしやい。