五錢ごせん)” の例文
のまゝだと、もう一音信いちおんしん料金れうきんを、とふのであつた。たしか、市内しない一音信いちおんしんきん五錢ごせんで、局待きよくまちぶんともで、わたし十錢じつせんよりあづかつてなかつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おくるや可惜あたら若木わかきはなにおくれてぬべきやまひいえたるものゝわづ手内職てないしよく五錢ごせん六錢ろくせん露命ろめいをつなぐすべはあらじをあやしのことよとたづねるに澆季げうきとはくものゝなほ陰徳者いんとくしやなきならで此薄命このはくめい
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
紅葉先生こうえふせんせい辭句じく修正しうせいしたものは、おそらく文壇ぶんだんおいわたし一人ひとりであらう。そのかはりるほどにしかられた。——なに五錢ごせんぐらゐ、自分じぶん小遣こづかひがあつたらうと、串戲じようだんをおつしやい。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ときに、川鐵かはてつむかうあたりに、(水何みづなに)とかつた天麩羅屋てんぷらやがあつた。くどいやうだが、一人前いちにんまへ、なみで五錢ごせん。……横寺町よこでらまちで、おぢやうさんのはつのお節句せつくときわたしたちはこれ御馳走ごちそうつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
五錢ごせん頂戴ちやうだい。」
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)