通過つうか)” の例文
もしそこを通過つうかするのがよるであるならば、ばされた赤熱鎔岩せきねつようがん斜面しやめんながくだつて、あるひ途中とちゆうまり、あるひ海中かいちゆうまで進入しんにゆうするのがられるが
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
わたしっている汽車きしゃは、いく百マイルもさきまでゆき、そのあいだに、かぞえきれないほどの停車場ていしゃば通過つうかするのですから……。
青いボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたくしこころからほがらかな気分きぶんになって、ふたたれい小娘こむすめみちびかれて玄関げんかんで、そこからはただ一途中とちゅう通過つうかして、無事ぶじ自分じぶんやま修行場しゅぎょうばもどりました。
その妖異よういなすがたをした者こそ、伊那丸いなまる通過つうか密告みっこくして、またうまうまと徳川家とくがわけのふところにろうとして、ねこをかぶっている和田呂宋兵衛わだるそんべえである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしこのみつつの階段かいだんは、あらゆる人類じんるいかならずこの順序じゆんじよでもつて通過つうかするものではありません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
かれこの心細こゝろぼそ解答かいたふで、僥倖げうかうにも難關なんくわん通過つうかしてたいなどとは、ゆめにもおもまうけなかつた。老師らうし胡麻化ごまか無論むろんなかつた。其時そのとき宗助そうすけはもうすこ眞面目まじめであつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
どこを通過つうかしたか、途中とちゅうすこしもわかりませぬが、私達わたくしたちたちまちあのなつかしい鎌倉かまくら八幡宮はちまんぐう社前しゃぜんきました。
汽車きしゃが、ある国民学校こくみんがっこうのそばを通過つうかしました。ひろ運動場うんどうじょうでは、子供こどもたちが、ボールをげたり、なわびをしたり、またすべだいったりしてあそんでいました。
汽車は走る (新字新仮名) / 小川未明(著)
さうしてこれが通過つうかしたあとにはたゞ火山灰かざんばひやラピリのみならず、おほきな石塊せきかい混入こんにゆうしてゐた。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ある場合ばあひには、いし時代じだいからてつ時代じだいになつたれいもたくさんありますが、ヨーロッパをはじめアジアの諸國しよこくにおいては、大體だいたいこのみつつの時代じだい通過つうかして、人類じんるい文化ぶんかすゝんでたのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
午後ごごから、おおぜいで電車道でんしゃみちかけたのです。かれらは震動しんどうして、電車でんしゃ通過つうかするたびに、していっては、レールにめいめいの磁石じしゃくてていました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
昭和二年十月しようわにねんじゆうがつ、プラーグにける地震學科ぢしんがくか國際會議こくさいかいぎ出席しゆつせきしたかへみち大活動だいかつどうひんせるヴエスヴイオをひナポリから郵船ゆうせん筥崎丸はこざきまる便乘びんじようし、十三日じゆうさんにちアデンおき通過つうかするころ本稿ほんこうしる
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
とうとうぼうやは、をさまさずに、兵隊へいたいれつ通過つうかしてしまいました。ほがらかならっぱのも、なんとなくいさましいうまのひづめのおとも、だんだんちいさくとおくなってしまいました。
幼き日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このやま平均へいきん十年毎じゆうねんごと一回いつかいぐらゐ爆發ばくはつし、山側さんそくしようずる彼方此方かなたこなた中心ちゆうしんとして鎔岩ようがんながし、あるひ噴出物ふんしゆつぶつによつて小圓錐形しようえんすいけい寄生火山きせいかざん形作かたちづくるなどする、つぎに郵船ゆうせんがメシナ海峽かいきよう通過つうかすると
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
かれが、いしさがしているときでした。トンネルのぐち汽笛きてきがしました。あわてて、かれは、ぴたりとトンネルの煉瓦れんがかべをつけると、すさまじいひびきをたてて汽車きしゃ通過つうかしました。