蕭条しめやか)” の例文
旧字:蕭條
この流派のつねとして極端に陰影の度を誇張した区劃の中による小雨こさめのいと蕭条しめやか海棠かいどう花弁はなびらを散す小庭の風情ふぜいを見せている等は、誰でも知っている、誰でも喜ぶ
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ひやゝかなる円天井まるてんじょうの陰には、そよとの風もなく、あたり蕭条しめやかに、心おのずか長閑のどかなれば、屋根低く凉しき尼寺か。夏の匂のみなぎり流るゝ、幽暗なる地下室にもたとふべけん。