蕭条しようじよう)” の例文
旧字:蕭條
村落は悲しげに寄り合ひ、蕭条しようじようたる山のふもとで、人間の孤独にふるへてゐる。そして真暗な夜の空で、もろこしの葉がざわざわと風に鳴る時、農家の薄暗い背戸せどうまやに、かすかに蝋燭ろうそくの光がもれてゐる。
田舎の時計他十二篇 (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)