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かけがね
ふりがな文庫
“
掛金
(
かけがね
)” の例文
「
居
(
ゐ
)
たかえ」それでも
卯平
(
うへい
)
は
呶鳴
(
どな
)
つて
見
(
み
)
たが
返辭
(
へんじ
)
がない。
卯平
(
うへい
)
は
口
(
くち
)
の
内
(
うち
)
で
呟
(
つぶや
)
いて
裏戸口
(
うらとぐち
)
へ
廻
(
まは
)
つて
見
(
み
)
たら
其處
(
そこ
)
は
内
(
うち
)
から
掛金
(
かけがね
)
が
掛
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「奥さん!」——ものの二
分
(
ふん
)
もしたかと思うとき、
掛金
(
かけがね
)
のかかったカテリーナ・リヴォーヴナの部屋の戸の向うで、誰やら言った者がある。
ムツェンスク郡のマクベス夫人
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
庭の
飛石
(
とびいし
)
に
下駄
(
げた
)
の音がした。平三郎は
何人
(
たれ
)
であろうと思いながら、やはり本を読んでいた。
枝折戸
(
しおりど
)
の
掛金
(
かけがね
)
をはずす音が聞えた。
水面に浮んだ女
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「しかし、あなたは今どうしてここへはいっておいでになりました。だってね、門の戸は一時間ばかり前に、ちゃんと
掛金
(
かけがね
)
をかけておいたんですよ」
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
けれども、さびついた
掛金
(
かけがね
)
をおすと、それがうまくはずれて、戸があきました。そこで、ゲルダは、はだしのまま、広い世の中へかけ出していきました。
雪の女王:――七つのお話からできている物語――
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
寝室の窓から、彼が来たことを見ていた三十すぎのユーブカをつけた女は戸口へ廻って内から
掛金
(
かけがね
)
をはずした。
パルチザン・ウォルコフ
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
風呂場、
不浄
(
ふじょう
)
、水口、縁先等、いま一度、戸締りを見ろ。
掛金
(
かけがね
)
、
棧
(
さん
)
、その他に異常なきやを確めるのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
今一度小さな手がスウッと這入って来て、
掛金
(
かけがね
)
の位置を軽く撫でたと思うと又、スルリと引込んだ。
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
掛金
(
かけがね
)
をはずすために手をあげる段になってはじめて我に返るような場合には、帰宅したあとでわたしはわたしの歩いたひと足も思い出すことができず、この調子では
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
「これが木戸だろうか、
掛金
(
かけがね
)
は
何処
(
どこ
)
に
在
(
あ
)
るの。こんな木戸なんか有るも無いも同じことだ」
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
雨戸の内側に通しの大
閂
(
かんぬき
)
をはめ込み、一枚々々は、外から絶對に
外
(
はづ
)
されないばかりでなく、
棧
(
さん
)
と
掛金
(
かけがね
)
と
心張
(
しんば
)
りで三ヶ所も留めて、更に犬を飼ひ、飛道具まで用意してありました。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夫人に銃口を向けたまま後ろ手に、扉の
掛金
(
かけがね
)
を外す。
毒蛇
(
コブラ
)
を先頭に探偵が二人、筒先揃えて殺到してきた。なんだ、なんだ! と後から引っ切りなしに、旅客が押し寄せてくる。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「はははは、
私
(
わし
)
ぐらいの年の
婆
(
ばあ
)
さまじゃ、お目出たい事いの。位牌になって
嫁入
(
よめい
)
りにござらっしゃる、南無妙。戸は閉めてきたがの、開けさっしゃりませ、
掛金
(
かけがね
)
も何にもない、南無妙、」
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
掛金
(
かけがね
)
だけは掛けずに置いた。十時過ぎまで待った。到頭お俊は帰らなかった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
腕は
冴
(
さ
)
えて居るし、
刃物
(
きれもの
)
は良し、又九郎横倒れに
斃
(
たお
)
れるのを見て
婆
(
ばゞあ
)
は逃出そうと
上総戸
(
かずさど
)
へ手を掛けましたが、余り締りを厳重にして御座いまして、
栓張
(
しんばり
)
を取って、
掛金
(
かけがね
)
を外す間もございません
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼
(
かれ
)
はそれでも
煙管
(
きせる
)
を
出
(
だ
)
して
戸
(
と
)
の
隙間
(
すきま
)
から
掛金
(
かけがね
)
をぐつと
突
(
つ
)
いたら
栓
(
せん
)
を
揷
(
さし
)
てなかつたので
直
(
すぐ
)
に
外
(
はづ
)
れた。
彼
(
かれ
)
は
闇
(
くら
)
い
閾
(
しきゐ
)
を
跨
(
また
)
いで
袂
(
たもと
)
の
燐寸
(
マツチ
)
をすつと
點
(
つ
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それからまた一分ほどすると、
階下
(
した
)
で
掛金
(
かけがね
)
のはね返る音がして、戸がギイとあいた。
ムツェンスク郡のマクベス夫人
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
勘次
(
かんじ
)
はぽつさりと
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
るおつぎを
突
(
つ
)
きのめす
樣
(
やう
)
に
戸口
(
とぐち
)
に
送
(
おく
)
つてがらりと
戸
(
と
)
を
閉
(
と
)
ぢて
掛金
(
かけがね
)
を
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
“掛金”の意味
《名詞》
日や月単位で定期に支払ったり、積み立てたりする金銭。
掛けで売買した代金。
(出典:Wiktionary)
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
“掛”で始まる語句
掛
掛合
掛念
掛物
掛声
掛茶屋
掛行燈
掛蒲団
掛川
掛樋