“栓張”の読み方と例文
読み方割合
しんばり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何処どこから手を出して掛金を外すのか、たゞ栓張しんばりを取っていか訳が分りません、脊伸せいのびをして上からさぐって見ると、かんぬきがあるようだが、手が届きません。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「戸を敲くはぞ」と鉄の栓張しんばりをからりと外す。切り岸の様な額の上に、赤黒き髪の斜めにかかる下から、鋭どく光る二つのまなこが遠慮なく部屋の中へ進んで来る。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
世の中もこんな気になればらくなものだ。分別ふんべつ錠前じょうまえけて、執着しゅうじゃく栓張しんばりをはずす。どうともせよと、湯泉のなかで、湯泉と同化してしまう。流れるものほど生きるに苦は入らぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)