掛金かきがね)” の例文
と番頭の頭をつ、番頭もおこり出し、無茶苦茶に胸倉を取って表へ二人を突出し、ポンと掛金かきがねをかけてしまう。叔母は地べたへころが
母が履脱くつぬぎへ降りて格子戸の掛金かきがねを外し、ガラリと雨戸を繰ると、さっと夜風が吹込んで、雪洞ぼんぼりの火がチラチラとなびく。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
内部なかから掛金かきがねをかけてひらいて見ると、大阪の知り合ひが、「御馳走さま」と東京語に大きく書いた包み紙の中から、いつもの西洋風の状袋じやうぶくろに、ペンで素直に「お光さま」と書いてあるのも床しかつた。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)