“きこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
気候23.1%
氣候11.5%
貴公11.5%
稀覯7.7%
奇功6.4%
機巧3.8%
奇工2.6%
畸行2.6%
季候2.6%
機工2.6%
紀綱2.6%
騎行2.6%
希覯1.3%
奇効1.3%
奇行1.3%
奇覯1.3%
季康1.3%
季行1.3%
帰嚮1.3%
帰港1.3%
帰航1.3%
帰行1.3%
帰降1.3%
旗甲1.3%
暈光1.3%
蘄黄1.3%
起稿1.3%
鬼工1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空は青あおと晴れて——気候きこうあたたかであった。気のどくなヴィタリス老人ろうじんとわたしが、つかれきってこのさくのそばでたおれた、あの寒いばんとはたいへんなちがいであった。
わたしだいすきだ。いろし、かたちし……とふうちにも、ごろ氣候きこうなんともへないのであらう。しかしめづらしい。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おい千手。それが本当なら、念のために、貴公きこう先刻さっき報告のあった米国聯合艦隊の陣容を、教えといてやろう」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
余が大英博物館で読んだアンションの『閹人顕正論』は一七一八年ロンドン刊行で、よほど稀覯きこうの物と見え、右の目録にも見えぬ。
と、甚七は、清洲城下の祭の夜、ちまたの中にゆくりなく信長主従の微行しのびを見かけ、むらむらと奇功きこうに駆られたまま、信長を刺そうとして、かえって捕えられて、憂き目に会ったことを
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも、個々の現象は複雑無限であって、その機巧きこうは到底わからないが、そういう現象が非常にたくさんかさなり合って、全体として一つの現象を示すことがある。
各々おの/\してその術を人に伝へざるに、おなじ時おなじ村つゞきにておなじ火浣布の奇工きこうたるも一奇事なり、是文政四五年の間の事なりき。
浅草以来の椿岳の傍若無人な畸行きこうはこういう人を喰った気風から出ているのだ。
季候きこうわりめになると、婦人ふじんは、あお顔色かおいろをしていました。
世の中のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
此両人のせつをきゝしにちからをつくせば一丈以上なるをもおりうべし、しかれども其機工きこう容易よういならずといへり。平賀源内は織こと五六尺にすぎずと火浣布考くわくわんふかうにいへり。
多寡たかの知れた一人の武蔵をなどと、寛大にしておいたら、領下の紀綱きこうがゆるむというものだ。まして、今のような乱世には
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太古の森の下蔭を騎行きこうしたのですが、森の深さは行くに従って極まる所を知らず、どう行けばここを出ることが出来るのか、再び最初の入口に帰るとしてもその道筋も分らぬ感じで
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
維新後古本商頭取になり、後市会議員、市参事員、衆議院議員に選ばれ、鉄管事件に遭逢して引退し、月島に住んで古版本を蒐集するを楽とし、希覯きこうの書数千巻を蔵するに至候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
方今校刻の業盛に興つて、某会某社と称するもの指かゞなふるにいとまあらざる程である。若しを投じ盟に加はつてゐたら、立どころに希覯きこうの書万巻を致さむことも、或は難きことをひつとせぬであらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
むしろ、七名の小人数ではあったが、この途端に、山上から数百歩駈け下りて来て、明智兵の影を認めるや否、銃先つつさき下がりに撃って来たわずかな弾丸のほうが、はるかに奇効きこうを奏した。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奇行きこうドクトルの出現
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
京都などの書肆しょしの出店が五軒ほどある、それらで古書を扱っていたし、古道具屋などでもときに奇覯きこうの書をみつけることが無くはない、臨慶史りんけいしとか歳令要典とか
ひやめし物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
大夫の季康きこう子が先師にたずねた。——
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ここに、耿紀こうきあざな季行きこうという者があった。侍中少府じちゅうのしょうふに奉仕し、つねに朝廷の式微を嘆き、同志の韋晃いこうと血をすすり合って
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
全く宗教をことにしている北と南とをきくるめて、人心の帰嚮きこうあやつって行かなくてはならないし、外交の上でも、いかに勢力を失墜しているとは云え
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一刻も早く現場を去って帰港きこうされるのが安全ですぞ
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかし、彼もやっぱりつまらんと見え、その日帰航きこうの途についたとき
恐竜艇の冒険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「母はつとめて言はねど、父君のさてはなんとか働きたまはば、わが一家は平和ならましを。この思ひ、いつも帰行きこうの時に思ひ浮かばざることなし」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
石堂頼房をつれて河内へはしり、河内の石川城にいる同族の畠山国清の許にかくれ、南朝の朝廷へ、帰降きこう(降伏)を申し出たのであった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、この主力牽制軍のうち、柴田勝政の一隊三千人は、飯浦坂の東南に、旗甲きこうを伏せて、敵の賤ヶ嶽方面のうごきを、じっと、監視していた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鉄が熔けるときに流れ出すあのけきったような杏色あんずいろとも白色はくしょくとも区別のつかない暈光きこうが、一尺ほどの紐状ひもじょうになって、急速に落下してくる。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
総勢八十三万の兵を、号して百万ととなえ、西は荊陜けいせんから東は蘄黄きこうにわたる三百里のあいだ、烟火えんか連々と陣線をひいて、呉の境を威圧した。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
起稿きこうを思い立った日からでは、もう、二十年ちかい歳月がながれている。
宮本武蔵:01 序、はしがき (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人に百歳の寿なく、社会に千載せんざいの生命なし。さすがに社会的経綸けいりん神算しんさん鬼工きこうを施したる徳川幕府も、定命ていめいの外にづべからず。二百年の太平は徳川幕府の賜物たまものなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)