“杏色”の読み方と例文
読み方割合
あんずいろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鉄が熔けるときに流れ出すあのけきったような杏色あんずいろとも白色はくしょくとも区別のつかない暈光きこうが、一尺ほどの紐状ひもじょうになって、急速に落下してくる。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
杏色あんずいろ薔薇ばらの花、おまへの愛はのろい火で温まる杏色の薔薇ばらの花よ、菓子をとろとろ煮てゐる火皿ひざらがおまへの心だ、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
高射砲の砲口から、杏色あんずいろの火焔が、はッはッと息を吐いた。敵機は、クルリと、横転おうてんをすると、たちまち闇の中に、姿を消して行った。異様なプロペラのうなごえが、明らかに、耳に入った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)