気候きこう)” の例文
旧字:氣候
おたがいに達者たっしゃで、はたらくことはできるし、それに毎年まいねん気候きこうのぐあいもよくて、はたけのものもたくさんれて、こんな幸福こうふくなことはない。
自分で困った百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
空は青あおと晴れて——気候きこうあたたかであった。気のどくなヴィタリス老人ろうじんとわたしが、つかれきってこのさくのそばでたおれた、あの寒いばんとはたいへんなちがいであった。
しかれども天の気候きこう不意ふいにして一ぢやうならざれば、雪頽なだれの下に身をくだくもあり。
気候きこうさえあたり前だったら今年は僕はきっといままでの旱魃の損害そんがい恢復かいふくしてみせる。そして来年らいねんからはもううちの経済けいざいも楽にするし長根ぜんたいまできっと生々いきいきした愉快ゆかいなものにしてみせる。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
貴方あなたはそんな哲学てつがくは、あたたかあんずはなにおいのする希臘ギリシヤっておつたえなさい、ここではそんな哲学てつがく気候きこういません。いやそうと、わたくしたれかとジオゲンのはなしをしましたっけ、貴方あなたとでしたろうか?
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかし、いくらをもんでも、その気候きこうとならなければ、なかなか、し、くものでないことも、っていました。だから
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
さむゆきくにまれたものが、あたたかな、いつもはるのような気候きこうくにまれなかったことをい、貧乏びんぼういえまれたものが
小さな赤い花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのまちしずかな、なんとなく、なつかしいまちでありました。気候きこうもよく、んでいる人々ひとびと気持きもちも平和へいわでいるように見受みうけられました。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこは、ずっとあるしまみなみはしでありまして、気候きこうあたたかでいろいろなたか植物しょくぶつが、緑色みどりいろしげっていました。
お姫さまと乞食の女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もう、ころはあきすえで、にまし気候きこうさむくなって、太陽たいようみなみへととおざかって、らすひかりよわくなった時分じぶんであります。
黒い旗物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あくるまちから新聞しんぶんには、運転手うんてんしゅが、どうしてこのごろ、こうむだるのか? 気候きこう変化へんかで、もしくは
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もう、気候きこうあたたかくなったのでこまどりは、いさんで、夕暮ゆうぐがたそらを、ちるほうかってんでゆきました。
こまどりと酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「たいへん、あなたたちは、ゆったりとしていられますが、気候きこうがいいからでしょうか。それともかねがあって、ゆたかなためでしょうか?」と、いました。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それには、たいへんいいところで、気候きこうあたたかであれば、まちうつくしく、にぎやかで、自分じぶんは、しあわせにらしているから安心あんしんしてもらいたいといてありました。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みなみしま気候きこうは、あたたかでそらはうっとりしていました。そして、みつばちは、はなあつまっていました。
島の暮れ方の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あちらのしまは、気候きこうもよく、いつでもうつくしい、かおりのたかはないているということであります。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それは、こっちがいいさ。半日はんにち汽車きしゃれば、こうも気候きこうが、ちがうものかとおどろくよ。」
かたい大きな手 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それで、その庭園ていえんをふるさとときめて、おもしては、そこにかえるのです。それは、気候きこうのいいところで、果物くだものもたくさんあれば、やまには、温泉おんせんもわきています。まるで、この楽園らくえんです。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それをひとは、気候きこう関係かんけいで、また神経衰弱しんけいすいじゃくにかかったからではなかろうかというような解釈かいしゃくをしたひとがありましたが、実際じっさいにおいて、づくひとづかないひととの相違そういがあるということに
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
気候きこうはいいが、さびしいところですよ。」
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)