傀儡くわいらい)” の例文
最も俳優が、全然違つた方面から巣立つたらば知らないことだが——だが、それほどの人材ばかり出たら、傀儡くわいらいとなつて叫び狂ふ自己の職業に滿足するかどうか?
むぐらの吐息 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
われは幻影と傀儡くわいらいとをけいせず、ディヤナも「義務」も「自由」も牛の姿のアピスも
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
墓のなかに画才は持つて行かれない! 可哀想かはいさうに。まるで傀儡くわいらいのやうなものだ
南京六月祭 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
舊套教育の傀儡くわいらいたる教頭の野蠻な比喩が、若々しい血潮の漲つてゐるみんなを憤らしたのは云ふまでもない。教頭の詞に對する反感は、却つて猫又先生に抱いてゐるみんなの不滿を高めてしまつた。
猫又先生 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
近づくは女人によにんか、はた蒼顏さうがん傀儡くわいらい
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)