偶人にんぎょう)” の例文
と云って声をかけると、死んだようになっていた老人は、機械ばね仕掛の偶人にんぎょうのようにぴょこんと跳び起きるなり、犬か何かの走るように逃げだした。
虎杖採り (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そんな事を言って振り返ると、妙子は僅かにうなずき乍ら、細そりした身体を尚おもせばめて、運命に導かれて行く偶人にんぎょうのように、真にトボトボと私の後を跟いて来るのでした。