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にんげう
廓ことばを
町にいふまで
去りとは
耻かしからず
思へるも
哀なり、
年はやう/\
數への十四、
人形抱いて
頬ずりする
心は
御華族のお
姫樣とて
變りなけれど、
修身の
講義
何時までも
何時までも
人形と
紙雛好とを
相手にして
飯事ばかりして
居たらば
嘸かし
嬉しき
事ならんを、ゑゝ
厭や/\、
大人に
成るは
厭やな
事、
何故此やうに
年をば
取る、
最う
七月十月
姉なる
人が
全盛の
餘波、
延いては
遣手新造が
姉への
世辭にも、
美いちやん
人形をお
買ひなされ、これはほんの
手鞠代と、
呉れるに
恩を
着せねば
貰ふ
身の
有がたくも
覺えず、まくはまくは
夫れも
餘り
輕卒の
事、
人形や
雛では
無し、
人一人翫弄物にする
譯には
行くまじ、
出來そこねたとて
塵塚の
隅へ
捨てられぬ、
家の
礎に
貰ふのなれば、
今一
應聞定めもし、
取調べても
見た
上の
事