“照添”の読み方と例文
読み方割合
てりそ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
月影つきかげは、夕顏ゆふがほのをかしくすがれるがき一重ひとへへだてたる裏山うらやま雜木ざふきなかよりさして、浴衣ゆかたそで照添てりそふも風情ふぜいなり。
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
輝く初夏しょかの空のした、際限なくつづく瓦屋根の間々あいだあいだに、あるいは銀杏いちょう、あるいはしいかし、柳なぞ、いずれも新緑の色あざやかなるこずえに、日の光のうるわしく照添てりそうさまを見たならば
その行く時彼の姿はあたかも左の半面を見せて、団欒まどゐの間を過ぎたりしが、無名指むめいしに輝ける物のただならず強き光は燈火ともしび照添てりそひて、ほとんただしく見るあたはざるまでにまなこを射られたるにあきれ惑へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)