“外面”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そと24.8%
とのも17.1%
そとも16.2%
おもて10.5%
げめん8.6%
うわべ7.6%
うはべ3.8%
そとづら3.8%
ぐわいめん2.9%
うわつら1.9%
がいめん1.0%
そとべ1.0%
ソトモ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主人「なるほど妙な訳だ。受精した玉子と受精せん玉子と外部そとから見て解るかね」中川「外面そとからでは解らんが割ってみるとよく解る」
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
検疫所が近づいたのだなと思って、えりもとをかき合わせながら、静かにソファの上にひざを立てて、眼窓めまどから外面とのもをのぞいて見た。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
おどろいて窓のところに寄ってみると、これはまた凄い外面そともの光景! 外は、まるで昼間のように、まぶしい光に充ちみちていた。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ところで、外面おもてには多勢の人だかりだが、あの中に、親方の知らない顔が一人でも交っちゃいないだろうか。見て来て貰いたいが」
御方は、放胆に外面げめんをかなぐり捨てた。しかしその下のすがたは更にあやしいまで美しい。艶なる魔魅まみ、誘惑の毒壺から、あかと紫色の焔が燃えているような瞳——
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外面うわべだけは可なり鄭重ていちょうに、直也を引いた。直也は、その口を一文字にきしめたまゝ、黙々として一言も発しなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
さうしてかの柳河のただ外面うはべに取すまして廃れた面紗おもぎぬのかげに淫らな秘密を匿してゐるのに比ぶれば、凡てがあらはで、元気で、また華やかである。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
だが、一旦「外面そとづら」となると、快活で愛想がよく、不景気のフの字も見せず、万事いやな顔などせずきれいごとで行こうという、お嬢さまの圭子だった。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
二に曰く人骨の外面ぐわいめんことに筋肉の付着點に刄物はものきづ有り。三に曰く人骨は他動物の遺骨ゐこつと同樣に人工を以てくだかれたり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
『だから下手が飛び付いて描くのですよ、自分の力も知らないで、ただ景色のいいに釣られてやるのですからでき上がって見ると、まるで景色の外面うわつら塗抹なすくった者になるのです。』
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その代りに、今度は珠子を非難し、君の脚を売ることを望むような女性は外面がいめんにょ菩薩ぼさつ内心ないしんにょ夜叉やしゃだといって罵倒ばとうした。
大脳手術 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼方かなたの狐も一生懸命、はたの作物を蹴散けちらして、里のかたへ走りしが、ある人家の外面そとべに、結ひめぐらしたる生垣いけがきを、ひらりおどり越え、家のうちに逃げ入りしにぞ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
アフチ咲く外面ソトモの木かげ 露おちて、五月雨るゝ風わたるなり(忠良)