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外面
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そと
ふりがな文庫
“
外面
(
そと
)” の例文
主人「なるほど妙な訳だ。受精した玉子と受精せん玉子と
外部
(
そと
)
から見て解るかね」中川「
外面
(
そと
)
からでは解らんが割ってみるとよく解る」
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
実に是
邂逅
(
めぐりあひ
)
の唐突で、意外で、しかも偽りも飾りも無い心の底の
外面
(
そと
)
に
流露
(
あらは
)
れた
光景
(
ありさま
)
は、
男性
(
をとこ
)
と男性との間に
稀
(
たま
)
に見られる美しさであつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
日はとっぷり暮れたが月はまだ登らない、時田は
燈火
(
ひ
)
も
点
(
つ
)
けないで片足を敷居の上に延ばし、柱に
倚
(
よ
)
りかかりながら、
茫然
(
ぼんやり
)
外面
(
そと
)
をながめている。
郊外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
やがて、箒を畳の上へなげ出して、裏の窓の所へ行って、立ったまま
外面
(
そと
)
をながめている。そのうち三四郎も拭き終った。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
四つになる倅の幸三郎は、
陽
(
ひ
)
のあるうちは
外面
(
そと
)
に追いやられ、日が暮れると、床の中に追い込まれてしまいます。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
折節
(
おりから
)
孰
(
いづ
)
れも
途方
(
とほう
)
に
暮
(
く
)
れて
居
(
お
)
りましたから、
取敢
(
とりあ
)
へず
之
(
これ
)
を
遣
(
や
)
ツて
見樣
(
みよう
)
と
云
(
い
)
ふので、
父親
(
ちゝおや
)
が
子供
(
こども
)
の
兩足
(
りようあし
)
を
捕
(
とら
)
へて
中
(
ちう
)
に
釣
(
つる
)
し、
外面
(
そと
)
を
向
(
む
)
かして
膝
(
ひざ
)
で
脊髓
(
せきずい
)
を
撞
(
つ
)
きました、トコロガ
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
召波一人、その静かな一間に在って、低い垣ごしに
外面
(
そと
)
の麦畑を見ている趣を想像せよ。召波はこの時詩情動いて「元日や草の戸ごしの麦畑」という句を得たのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
又、こうなるように、自分だけが
外面
(
そと
)
で活動を続けてきたんだ。一本の指が切られたって、残った九本はやはり活躍するにきまっている。それに血管が作用してる限りは……
罠を跳び越える女
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
肥料にするかせぬか
分
(
わか
)
らぬが行きさえすれば呉れるから、それをドッサリ
貰
(
もらっ
)
て来て
徳利
(
とくり
)
に入れて、徳利の
外面
(
そと
)
に土を塗り、又素焼の大きな
瓶
(
かめ
)
を買て七輪にして
沢山
(
たくさん
)
火を起し
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
大「
外面
(
そと
)
から見ますと
田舎家
(
いなかや
)
のようで、中は木口を選んで、なか/\
好事
(
こうず
)
に出来て居ります」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
夫から今度は時刻と場所の關係だ、室内に二人の人物が居て實にしめやかな話しをして居るのにも拘らず室外は豪雨が降つて夫に風さへ混じる
外面
(
そと
)
の景色を書いては釣合が取れない。
作物の用意
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
海老錠
(
えびぢやう
)
のおりた
本殿
(
ほんでん
)
の扉が向ふの方に見えて、薄暗い中から八寸ぐらゐの鏡が
外面
(
そと
)
の光線を反射してゐた。扉の
金具
(
かなぐ
)
も黄色く光つて、其の前の
八足
(
やつあし
)
には
瓶子
(
へいし
)
が二つ靜かに
載
(
の
)
つてゐた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
この倶楽部が
未
(
ま
)
だ繁盛していた頃のことである、
或
(
ある
)
年の冬の夜、珍らしくも二階の食堂に
燈火
(
あかり
)
が
点
(
つ
)
いていて、
時々
(
おりおり
)
高く笑う声が
外面
(
そと
)
に漏れていた。
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
あとから「まあ、
左
(
さ
)
うです」と答へた。女は全く
歯
(
は
)
を隠した。静かに席を立つて、窓の所へ行つて、
外面
(
そと
)
を眺め
出
(
だ
)
した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
四つになる伜の幸三郎は、陽のあるうちは
外面
(
そと
)
に追ひやられ、日が暮れると、床の中に追ひ込まれてしまひます。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
モシできる事なら、大理石の
塊
(
かたまり
)
のまん中に、半人半獣の二人がかみ合っているところを彫ってみたい、塊の
外面
(
そと
)
にそのからみ合った手を現わして。
号外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「ええ」と言って少し
躊躇
(
ちゅうちょ
)
した。あとから「まあ、そうです」と答えた。女はまったく歯を隠した。静かに席を立って、窓の所へ行って、
外面
(
そと
)
をながめだした。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「その三疊には、そつと
外面
(
そと
)
へ出られる口があるのか」
銭形平次捕物控:252 敵持ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
主人
(
あるじ
)
は便所の窓を明けたが、
外面
(
そと
)
は雨でも月があるから
薄光
(
うすあかり
)
でそこらが
朧
(
おぼろ
)
に見える。窓の下はすぐ鉄道線路である。
郊外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
代助は首から上を
捩
(
ね
)
じ曲げて眼を
外面
(
そと
)
に着けながら、幾たびか自分の眼を
擦
(
こ
)
すった。
然
(
しか
)
し何遍
擦
(
こす
)
っても、世界の
恰好
(
かっこう
)
が少し変って来たと云う自覚が取れなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
雨
(
あめ
)
が
次第
(
しだい
)
に
強
(
つよ
)
くなつたので
外面
(
そと
)
の
模樣
(
もやう
)
は
陰鬱
(
いんうつ
)
になるばかり、
車内
(
うち
)
は
退屈
(
たいくつ
)
を
増
(
ま
)
すばかり
眞鶴
(
まなづる
)
の
巡査
(
じゆんさ
)
がとう/\
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
代助は
首
(
くび
)
から
上
(
うへ
)
を
捩
(
ね
)
ぢ
曲
(
ま
)
げて
眼
(
め
)
を
外面
(
そと
)
に
着
(
つ
)
けながら、
幾
(
いく
)
たびか自分の
眼
(
め
)
を
擦
(
こ
)
すつた。然し何遍
擦
(
こす
)
つても、世界の恰好が少し変つて
来
(
き
)
たと云ふ自覚が取れなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただ
喫驚
(
びっくり
)
した余りに怒鳴り、
狼狽
(
うろた
)
えた
余
(
あまり
)
に喚いたので、
外面
(
そと
)
に飛び出したのは逃げ出したるに過ぎない。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
外面
(
そと
)
は大方
朧
(
おぼろ
)
であろう。晩餐に
半
(
はん
)
ぺんの
煮汁
(
だし
)
で
鮑貝
(
あわびがい
)
をからにした腹ではどうしても休養が必要である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「お前これを見たな!」と叫けんで「
可
(
よ
)
し私にも覚悟がある、覚悟がある」と怒鳴りながらそのまま抽斗を
閉
(
し
)
めて錠を卸し、非常な剣幕で
外面
(
そと
)
に飛び出して
了
(
し
)
まった。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それから二三分は
全
(
まつた
)
く静かになつた。部屋は
煖炉
(
だんろ
)
で
温
(
あたゝ
)
めてある。
今日
(
けふ
)
は
外面
(
そと
)
でも、さう寒くはない。
風
(
かぜ
)
は死に尽した。
枯
(
か
)
れた
樹
(
き
)
が
音
(
おと
)
なく冬の
日
(
ひ
)
に
包
(
つゝ
)
まれて立つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうして先生の今まで腰をおろして窓から頭だけを出していた一番光に近い椅子に余は
坐
(
すわ
)
った。そこで
外面
(
そと
)
から
射
(
さ
)
す夕暮に近い明りを受けて始めて先生の顔を熟視した。
ケーベル先生
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
更に巧に、寝間を出て、
縁
(
えんがわ
)
の戸を一分又た一分に開け、
跣足
(
はだし
)
で
外面
(
そと
)
に首尾能く出た。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
外面
(
そと
)
は雨なので、五六人の乗客は皆
傘
(
かさ
)
をつぼめて
杖
(
つえ
)
にしていた。女のは
黒蛇目
(
くろじゃのめ
)
であったが、冷たいものを手に持つのが
厭
(
いや
)
だと見えて、彼女はそれを自分の
側
(
わき
)
に立て掛けておいた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『奥でお
寝
(
やす
)
みな。』半ばしかるように言った。お梅は泣き出しそうな顔をして頭を振って
外面
(
そと
)
へ出た。月は
冴
(
さ
)
えに冴え、まるで秋かとも思われるよう。庭木の影がはっきりと地に
印
(
いん
)
している。
郊外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
寝台
(
ねだい
)
を
這
(
は
)
い下りて、北窓の
日蔽
(
ブラインド
)
を
捲
(
ま
)
き上げて
外面
(
そと
)
を見おろすと、外面は一面に
茫
(
ぼう
)
としている。下は芝生の底から、三方
煉瓦
(
れんが
)
の
塀
(
へい
)
に囲われた
一間余
(
いっけんよ
)
の高さに至るまで、何も見えない。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうしてその時は
外面
(
そと
)
を狂い廻る
暴風雨
(
あらし
)
が、木を根こぎにしたり、
塀
(
へい
)
を倒したり、屋根瓦を
捲
(
め
)
くったりするのみならず、今薄暗い
行灯
(
あんどん
)
の
下
(
もと
)
で味のない
煙草
(
たばこ
)
を吸っているこの自分を
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ケートは窓から
外面
(
そと
)
を
眺
(
なが
)
める。
小児
(
しょうに
)
が
球
(
たま
)
を投げて遊んでいる。彼等は高く球を空中に
擲
(
なげう
)
つ。球は上へ上へとのぼる。しばらくすると落ちて来る。彼等はまた球を高く擲つ。再び三度。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
やがて、箒を畳の
上
(
うへ
)
へ
抛
(
な
)
げ出して、裏の窓の所へ行つて、立つた儘
外面
(
そと
)
を眺めてゐる。そのうち三四郎も
拭
(
ふ
)
き終つた。濡れ雑巾を
馬尻
(
ばけつ
)
の
中
(
なか
)
へぼちやんと
擲
(
たゝ
)
き込んで、美禰子の
傍
(
そば
)
へ
来
(
き
)
て、
並
(
なら
)
んだ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
部屋は
暖炉
(
だんろ
)
で暖めてある。きょうは
外面
(
そと
)
でも、そう寒くはない。風は死に尽した。枯れた木が音なく冬の日に包まれて立っている。三四郎は画室へ導かれた時、
霞
(
かすみ
)
の中へはいったような気がした。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“外面”の意味
《名詞》
外 面(がいめん、げめん)
(がいめん、げめん)物の外側の表面。
(げめん)外に現れた顔つき。
(がいめん)外に現れた様子。外見。
(出典:Wiktionary)
外
常用漢字
小2
部首:⼣
5画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“外面”で始まる語句
外面如菩薩
外面如菩薩内心如夜叉
外面女𦬇
外面如𦬇
外面焦
外面的
外面似菩薩
外面女菩薩