“日蔽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひおい38.5%
ひおおい30.8%
ひおお15.4%
ひおひ7.7%
ブラインド7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その風は裳裾もすそたもとひるがえし、甲板の日蔽ひおいをあおち、人語を吹き飛ばして少しも暑熱しょねつを感じささないのであるが、それでもはだえに何となく暖かい。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
日蔽ひおおい葭簀よしずはさんざんに破れている。萩のしだれた池の水は土のように濁っている。向日葵も鳳仙花も鶏頭もみんな濡れて倒れていた。
写況雑記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その店舗は果実店であったが、もちろん戸はぴったり閉じられていたが、カンバス製の日蔽ひおおいが陽も照っていないのに、軒からぐっと前へ伸びて屋根をつくっていた。
通りに臨んだ三階の明るい窓硝子がらす日蔽ひおひおろして、自分達は昨夜ゆうべの不眠を補ふ為に倫敦ロンドンへ着いた第一日を昼過ぎまで寝て居ねば成らなかつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
寝台ねだいい下りて、北窓の日蔽ブラインドき上げて外面そとを見おろすと、外面は一面にぼうとしている。下は芝生の底から、三方煉瓦れんがへいに囲われた一間余いっけんよの高さに至るまで、何も見えない。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)