外面うはべ)” の例文
さうしてかの柳河のただ外面うはべに取すまして廃れた面紗おもぎぬのかげに淫らな秘密を匿してゐるのに比ぶれば、凡てがあらはで、元気で、また華やかである。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
外面うはべだけは可なり鄭重に、直也を引いた。直也は、その口を一文字にきしめたまゝ、黙々として一言も発しなかつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
こゝろ夜叉やしゃ! うつくしい虐君ぎゃくゝんぢゃ! はとはねからすぢゃ! 狼根性おほかみこんじゃう仔羊こひつじぢゃ! 神々かう/″\しうてこゝろさもしい! 外面うはべとは裏表うらうへ! いやしい聖僧ひじり氣高けたか惡黨あくたう! おゝ、造化主ざうくわしゅ
さうしてかの柳河のただ外面うはべに取すまして廢れた面紗おもぎぬのかげにみだらな秘密をかくしてゐるのに比ぶれば、凡てがあらはで、元氣で、またはなやかである。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)