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外面
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とのも
ふりがな文庫
“
外面
(
とのも
)” の例文
検疫所が近づいたのだなと思って、
襟
(
えり
)
もとをかき合わせながら、静かにソファの上に
膝
(
ひざ
)
を立てて、
眼窓
(
めまど
)
から
外面
(
とのも
)
をのぞいて見た。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
媼は痩せたる
臂
(
ひぢ
)
さし伸べて、洞門を
掩
(
おほ
)
へる
蔦蘿
(
つたかづら
)
の
帳
(
とばり
)
の如くなるを推し開くに、
外面
(
とのも
)
は暗夜なりき。濕りたる濃き霧は四方の山岳を
繞
(
めぐ
)
れり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
唯
(
たゞ
)
さへ、
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けない
人影
(
ひとかげ
)
であるのに、
又
(
また
)
其
(
そ
)
の
影
(
かげ
)
が、
星
(
ほし
)
のない
外面
(
とのも
)
の、
雨氣
(
あまけ
)
を
帶
(
お
)
びた、
雲
(
くも
)
に
染
(
にじ
)
んで、
屋根
(
やね
)
づたひに
茫
(
ばう
)
と
來
(
き
)
て、
此方
(
こなた
)
を
引包
(
ひきつゝ
)
むやうに
思
(
おも
)
はれる。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして
扉
(
ドア
)
に手をかけると、グッと手前へ開いた。そこには
外面
(
とのも
)
の
黒手
(
くろて
)
のような
暗闇
(
やみ
)
ばかりが眼に
映
(
うつ
)
った。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
口三味線
(
くちさみせん
)
の
浄瑠璃
(
じやうるり
)
が
庭
(
には
)
の
飛石
(
とびいし
)
づたひにちかづいてくるのを、すぐ
私
(
わたし
)
どもはきヽつけました。五十三
次
(
つぎ
)
の
絵双六
(
ゑすごろく
)
をなげだして、
障子
(
しやうじ
)
を
細目
(
ほそめ
)
にあけた
姉
(
あね
)
の
袂
(
たもと
)
のしたからそつと
外面
(
とのも
)
をみました。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
▼ もっと見る
外面
(
とのも
)
は尚も雪のひそやかに降りしきる気配、あとは寂として、万物声なし。
滝野川貧寒
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
先ず第一に表紙の図案が綺麗で目新しく、俳味があってしかも古臭くないものであった。
不折
(
ふせつ
)
、
黙語
(
もくご
)
、
外面
(
とのも
)
諸画伯の挿画や裏絵がまたそれぞれに顕著な個性のある新鮮な活気のあるものであった。
明治三十二年頃
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
閨
(
ねや
)
の上にかたえさしおほひ
外面
(
とのも
)
なる
葉広柏
(
はびろがしわ
)
に
霰
(
あられ
)
ふるなり (
能因
(
のういん
)
)
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
かりずみのねむりは浅くさめしかば
外面
(
とのも
)
の道に
雨
(
あめ
)
降
(
ふ
)
りをるかな
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
夏もやや
鳥屋
(
とや
)
の
外面
(
とのも
)
の照りつよし雛鶏がかける突きころぶかに
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
忍術をみせよと爺にせがみたり
外面
(
とのも
)
はしきり吹雪するなり
小熊秀雄全集-01:短歌集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
野分
(
のわき
)
暗しとき/″\玻璃の
外面
(
とのも
)
見る
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
足惱
(
あなゆ
)
みて
外面
(
とのも
)
を過ぎつ。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
しかし不審なのは、いまは午前二時半を過ぎて、
外面
(
とのも
)
は真の闇に包まれている筈なのに、この複雑な覗き眼鏡のような器械でみると、まるで真昼のように明るく見えるのであった。
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
閨
(
ねや
)
の上にかたえさしおほひ
外面
(
とのも
)
なる
葉広柏
(
はびろがしわ
)
に
霰
(
あられ
)
ふるなり
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
手拭を肩にかけゆく長廊下
外面
(
とのも
)
は霧にこもりしづもる
小熊秀雄全集-01:短歌集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
外面
(
とのも
)
なる
嗟嘆
(
なげかひ
)
よ、波もなきいんくの河に
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
端居
(
はしい
)
して垣の
外面
(
とのも
)
の世を見居る
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
色
濁
(
にご
)
る
窓
(
まど
)
硝子
(
がらす
)
外面
(
とのも
)
より
呪
(
のろ
)
ひためらふ。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
雛納めしつゝ
外面
(
とのも
)
は嵐かな
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
“外面”の意味
《名詞》
外 面(がいめん、げめん)
(がいめん、げめん)物の外側の表面。
(げめん)外に現れた顔つき。
(がいめん)外に現れた様子。外見。
(出典:Wiktionary)
外
常用漢字
小2
部首:⼣
5画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“外面”で始まる語句
外面如菩薩
外面如菩薩内心如夜叉
外面女𦬇
外面如𦬇
外面焦
外面的
外面似菩薩
外面女菩薩