“引包”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひッつつ46.7%
ひきつつ13.3%
ひきつゝ13.3%
ひっくる6.7%
ひっつつ6.7%
ひっつゝ6.7%
ひつくる6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ストンと溝へ落ちたような心持ちで、電車を下りると、大粒ではないが、引包ひッつつむように細かく降懸ふりかかる雨を、中折なかおれはじく精もない。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ず口のうちでいって見て、小首を傾けた。ステッキが邪魔なのでかいなところゆすり上げて、引包ひきつつんだそのそでともに腕組をした。菜種の花道はなみち、幕の外の引込ひっこみには引立ひったたない野郎姿やろうすがた
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たゞさへ、おもけない人影ひとかげであるのに、またかげが、ほしのない外面とのもの、雨氣あまけびた、くもにじんで、屋根やねづたひにばうて、此方こなた引包ひきつゝむやうにおもはれる。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そうそう藤村の鹿の子が可い。風月堂のかすてらもしからず、引包ひっくるめて二両ばかり買うが可い。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「この煙とも霧とももやとも分らない卍巴まんじともえの中に、ただ一人、うっすりとあなたのお姿を見ました時は、いきなり胸で引包ひっつつんで、抱いてあげたいと思いましたよ。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
といわれ、悪漢どもも相撲取だから力は強かろうが、剣術は知るめえから引包ひっつゝんで餓鬼諸共打ってしまえ、とまず四人ばかり其処そこへ出ましたが、怖いと見えまして
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたしなどの夜具やぐは、むやみと引張ひつぱつたり、かぶつたりだから、胴中どうなか綿わた透切すきぎれがしてさむい、すそひざ引包ひつくるめて、そであたま突込つツこむで、こと/\むしかたちるのに、この女中ぢよちうは、まためう道樂だうらく
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)