“ひッつつ”の漢字の書き方と例文
語句割合
引包100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、電燈でんきを消すと、たちまち鼠色の濃い雲が、ばっと落ちて、ひさしから欄干てすりを掛けて、引包ひッつつんだようになった。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、あるいは三方から引包ひッつつんで、おびき出す一方口の土間は、さながら穽穴おとしあなとも思ったけれども、ままよ、あの二人にならどうともされろ!で、浅茅生へドンと下りた、勿論跣足はだしで。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
透間にし入る日の光は、風に動かぬ粉にも似て、人々の袖に灰を置くよう、身動みじろぎにも払われず、物蔭にも消えず、こまやかに濃く引包ひッつつまれたかのおもいがして、手足も顔も同じ色の、蝋にも石にもかたまるか
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)