“ひきつつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引包66.7%
引韞33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ず口のうちでいって見て、小首を傾けた。ステッキが邪魔なのでかいなところゆすり上げて、引包ひきつつんだそのそでともに腕組をした。菜種の花道はなみち、幕の外の引込ひっこみには引立ひったたない野郎姿やろうすがた
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たちまち、たまらない草イキレと、木蔭の青葉にれ返る太陽の芳香においが、おそろしい女の体臭のように彼を引包ひきつつんだ。行けば行くほどその青臭い、物狂おしい太陽の香気が高まって来た。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
数息すそくの間にして火の手は縦横にはびこりつつ、納屋の内に乱入れば、噴出ふきいづる黒烟くろけふりの渦はあるひくづれ、或は畳みて、その外を引韞ひきつつむとともに、見えわたりし家も土蔵もうづたか黯黮あんたんの底に没して、闇は焔に破られ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)