縁端えんさき)” の例文
客人を待たしおいて天の川へ往って魚を捕って来るなんぞ申し、竹子笠たけのこがさを着、腰に魚籠びくをつけて、縁端えんさきから虚空に姿を消すかと思えば、間もなく腰の魚籠にこいなまずの類をいっぱい持って帰るなど
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
さてその日もようやく暮れるに間もない五時頃に成っても、叔母もお勢も更に帰宅する光景ようすも見えず、何時いつまで待っても果てしのない事ゆえ、文三は独り夜食を済まして、二階の縁端えんさき端居はしいしながら
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ツイとばかり縁端えんさきへ出でぬ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)