“日覆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひおおい29.6%
ひおお18.5%
ひおい14.8%
ひよけ14.8%
ひおひ11.1%
ひお3.7%
ひおほ3.7%
ひおほひ3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから程なく、往来から家の中の見えるのはよくないからと、格子の前に白い日覆ひおおいのような物を掛けるようになりました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
その三つならんだ入口の一番左側には空箱にむらさきいろのケールやアスパラガスが植えてあって小さな二つの窓には日覆ひおおいが下りたままになっていました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
青い空をせいた葭簀よしず日覆ひおいが砂利の上に涼しい影を一面に落していた運動場……わたしの眼にそのさまが浮ぶのである。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
ドードーッと一じん吹いて来ます風が冷たい風、「夕立や風から先に濡れて来る」と云う雨気あまけで、やがてポツリ/\とやッて来ました、日覆ひよけになった葦簀よしずに雨が当るかと思ううちに
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
処々より雪かこひの丸太あるひは雪垂ゆきたれとてかやにて幅八九尺ひろさ二間ばかりにつくりたるすだれかりあつめてすべての日覆ひおひとなす。
仮装舞踊会のように私は日覆ひおいして夜の明けるのを待ったのだが、タンゴの太い曲線が寝床の夢を誘うように、彼女が夢のなかで
孟買挿話 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
帽子のうしろに付いた日覆ひおほひの布をなびかせて、小さな砂煙を立てて、自分の足音を自分で聞きとりながら、支隊々々の休んでゐるオアシスからオアシスへ幾時間もけとほしました。
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)
海馬かいばの噴水の横から道をはすくともう白に赤の細いふちを取つたリラの店前テラスの張出した日覆ひおほひが、目の前でぱたぱた風に動いて居ました。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)