下部かぶ)” の例文
ふるい/\むかしは、この一帶いつたい暖帶林だんたいりん上部じようぶから温帶林おんたいりん下部かぶぞくする樹木じゆもく、すなはち常緑じようりよく濶葉樹かつようじゆ落葉樹らくようじゆでおほはれてゐたのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
下部かぶ貝塚かひづかが、普通ふつうので、其上そのうへ彌生式やよひしき貝塚かひづかかさなつてるとか、たしかそんなことであつた。いま雜誌ざつし手元てもといのでくはしくはしるされぬ。
この劇場の裏の下部かぶ。少年はそこにたたずんだまま、しばらくはどちらへもこうとしない。それから高い窓を見上げる。が、窓には誰も見えない。
浅草公園:或シナリオ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それは日本につぽんにもちょっとられないすばらしいかたちのもので、下部かぶ長方形ちようほうけいはこのようにつくり、そのおほきいものになると、うへせてある一枚いちまい天井石てんじよういしながさが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
笑ひ聲を立てゝゐる娘が、彼にこのことを話して聞かせたとき、彼の口は確かに可なりきつと結ばれてゐたやうに見え、彼の顏の下部かぶは異常に嚴酷に引きしまつてゐた。
更に下部かぶへ降りて男湯の天井を匍って電気風呂の男湯の配線の中へ喰い込んでいた。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
今の湯具はいにしへ下裳したもに代用したる下部かぶおほふのなり。嬉遊笑覧きいうせうらんに、湯具ゆぐといふは、男女なんによともに前陰ぜんいんを顕して湯に入ることはもとなき事にて必ず下帯をきかえて湯に入るゆゑ湯具といふ。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
たゞ、一箇所かしよ丈餘じやうよ貝層かひそう下部かぶから一二しやくところに、小石こいしごとかこつたなかで、焚火たきびをしたらしい形跡けいせき個所かしよが、半分はんぶんきりくづされて露出ろしゆつしてるのを見出みいだした。
十九にち雨中うちうを、つてて、おどろいた。いままでの貝塚發掘かひづかはつくつ臺地だいち東部とうぶさか上部じやうぶ左側さそくであつたが、臺地だいち南側なんそく下部かぶ菱沼鐵五郎ひしぬまてつごらう宅地たくちまえはたけを、大發掘だいはつくつしてある。
あぢめて同月どうげつくと、完全くわんぜんなる大土器だいどきおよ大土器だいどき下部かぶれて上部じやうぶのみを廢物利用はいぶつりようしたかとおもふのと、土器製造用どきせいざうよう石具せきぐかとおもふのと、鋸目のこぎりめきざみたる獸牙じうがとをした。大當あたあたりである。