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『青蠅』
ふりがな文庫
『
青蠅
(
あおばえ
)
』
男は、死んだ女のそばに突立って、平然とその屍体を見まもった。 彼は眼を細めにあけて、大理石の石板に横えられた女の白い体と、胸の只中をナイフで無残に刳られた赤い創口とを見た。 屍体はすでに硬直しているにも拘らず、完全な肉附の美くしさは、まるで …
著者
モーリス・ルヴェル
翻訳者
田中早苗
ジャンル
文学 > フランス文学 > 小説 物語
初出
「新青年」1923(大正12)年1月増刊号
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約7分(500文字/分)
朗読目安時間
約11分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
殺
(
やっ
)
背
(
うし
)
蔽
(
かぶ
)
塞
(
つか
)
些
(
すこ
)
直
(
じ
)
恰
(
あた
)
此方
(
こっち
)
利益
(
ため
)
彼方
(
あっち
)
圧
(
おし
)
尖
(
さき
)
実
(
じつ
)
弛
(
たる
)
息窒
(
いきづ
)
憤然
(
むっ
)
憫
(
あわれ
)
擡
(
あ
)
石板
(
いしいた
)
皮膚
(
はだ
)
発生
(
わい
)
女
(
ひと
)
肢
(
あし
)
呀
(
あっ
)
口腔
(
くち
)
審問
(
しらべ
)
退
(
の
)
下役
(
したやく
)
生物
(
いきもの
)
顫
(
ふる
)
静然
(
じっ
)
白歯
(
しらは
)
露
(
あら
)
鋪
(
し
)
金色
(
こんじき
)
衝
(
つ
)
糜爛
(
びらん
)
黯
(
くろ
)
縋
(
すが
)
吃驚
(
びっくり
)
中
(
うち
)
仰
(
おっ
)
低声
(
こごえ
)
傍
(
そば
)
判然
(
はっきり
)
刳
(
えぐ
)
創口
(
きずぐち
)
反対
(
あべこべ
)
可憫
(
かわい
)
狂人
(
きちがい
)
咽喉
(
のど
)
室
(
へや
)
慄
(
ふる
)
末期
(
まつご
)
横
(
よこた
)
欠伸
(
あくび
)
此奴
(
こいつ
)
此室
(
ここ
)
死態
(
しにざま
)