“息窒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いきづま60.0%
いきづ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は、一時は「戯れ」と思つたことも、反省して見ると悉く一途な情熱の変形であつたことに気づいて、常に息窒いきづまつた。
小川の流れ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
なんだか、大懶獣メガテリウムのいるあたりが空洞のように思われて、いまにも、氷壁をくだいた手が躍りかかりそうな気がする。そこへ、ダネックが息窒いきづまったような叫びをした。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
石で床をきつめたその不気味な広いへやは、息窒いきづまるような沈黙でおしつけられていた。屍体のそばには、今までそれを包んでいたらしい、血痕の附着した敷布があった。
青蠅 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
と、その矢先、壇上の一角に闇が破られて、一本の燐寸マッチの火が、階段を客席の方に降りてきた。それから、ほんの一ときであったが、血が凍り息窒いきづまるようなものが流れはじめた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)