息窒いきづま)” の例文
彼は、一時は「戯れ」と思つたことも、反省して見ると悉く一途な情熱の変形であつたことに気づいて、常に息窒いきづまつた。
小川の流れ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
なんだか、大懶獣メガテリウムのいるあたりが空洞のように思われて、いまにも、氷壁をくだいた手が躍りかかりそうな気がする。そこへ、ダネックが息窒いきづまったような叫びをした。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
乳母は、やはり身体中をコワ張らせ、そのため息窒いきづまりしそうに見えた。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)