かぶ)” の例文
それから厚い毛布けっとかフランネルを二枚にたたんでも三枚に畳んでもようございますから今の桶の上へ悉皆すっかりかぶせて氷の速くけないようにします。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
この謀ずっと古くよりあったしるしは『左伝』に城濮じょうぼくの戦に晋の胥臣しょしん虎皮を馬にかぶせて敵の軍馬を驚かし大勝したとある。
親椀で酒をかぶつて居るものもあれば、茶碗でぐび/\遺つて居る者もある。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
それをパイの皮のペースでかぶせて普通のパイのように焼きます。これにはシチューやボイルドにした物でも構いません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
孔子もそれと互角な不男ぶおとこだったらしく、『荀子じゅんし』に〈仲尼ちゅうじの状面かぶるがごとし〉、倛は悪魔払いに蒙る仮面というのが古来の解釈だが、旧知の一英人が
猟天狗「オット少しお待ち下さい、そう無闇むやみに知らない名前を並べられては覚える事も出来ません。まずパイというのはパイの皮をかぶせて焼いたのですか」
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
季冬にろうに先だつ一日大いにおにやらいす、これを逐疫という、云々、方相氏は黄金の四目あり、熊皮をかぶり、玄裳朱衣してほこを執りたてを揚ぐ、十二獣は毛角をるあり、中黄門これを行う
我々の食べるお米は稲の実の胚乳はいにゅう即ち乳のような食物です。と申したばかりではちょいとお解りになりますまいがお米粒は草の実がもみという皮をかぶっております。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
寒帯にもみ熱帯にも棲むという動物は必ず皮膚の下に脂肪を蓄えてちょうど脂肪の皮をかぶっているようです。くじらもあの通りな脂肪ですし、豚もやっぱり脂肪沢山です。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
日本婦人は折角磨いた身体からだを垢と油で黒光りになった夜具蒲団へこすりつけるから一晩で垢が付く。西洋婦人は髪の代りに帽子をかぶるから帽子へ金をかけると万事こう違う。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)