“蒙々”の読み方と例文
読み方割合
もうもう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蒙々もうもうたる灰煙の中に誰かかがんでいる者がある、なおも近寄ってみるとそれはあの男で、床の上へうようにして何かをじっと覓めている
蛮人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
然るにわが日中両国を返顧へんこするも、猶お未だ、昏々こんこん蒙々もうもう、一に大祥のまさに臨み亡種の惨を知らざるが如し。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
あちらでもこちらでも、まるで松明行列たいまつぎょうれつを見るように、米軍の大小の飛行機が、火焔に包まれ、真黒な煙を蒙々もうもうと空中に噴き出しながら、海面へ向けて、落ちて行くのが見えた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)