“鐶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かん65.6%
くわん18.8%
9.4%
たまき6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
船の揺れはますます激しく、私のいわゆる王様のベッドの洋銀の欄干、網棚、カーテンのかんなどは、しっきりなく音を立てて鳴った。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「親分、金藏の窓のたこを取つて來ましたよ。くわんに絲を通してあつたんで、飛んだ大骨折さ。凧は滅茶々々にこはれて居るが、うなりは立派だ」
長方形にしきられた畫面の中に、重い暗い茶褐色の空気が漂うて、わずかに胸をお納戸色の衣に蔽い、裸体の儘の肩と腕とに金や珠玉のを飾った下げ髪の女が
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そうして、彼女の右手の指にはまっている五つのたまきは、亡き母の片身として、彼女の愛翫あいがんし続けて来た黄金の鐶であった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)