“愛翫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あいがん80.0%
あいぐわん20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうして、彼女の右手の指にはまっている五つのたまきは、亡き母の片身として、彼女の愛翫あいがんし続けて来た黄金の鐶であった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
何故と云えば、彼が煙管を得意にするのは、前にもことわったように、煙管そのものを、愛翫あいがんするからではない。実は、煙管の形をしている、百万石が自慢なのである。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
雲飛うんぴといふ人は盆石ぼんせきを非常に愛翫あいぐわんした奇人きじんで、人々から石狂者いしきちがひと言はれて居たが、人が何と言はうと一さい頓着とんぢやくせず、めづらしい石の搜索さうさくにのみ日を送つて居た。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
古来偉大なる芸術の士は皆この独自の眼光を有し、おのづから独自の表現を成せり。ゴツホの向日葵ひまはりの写真版の今日こんにちもなほ愛翫あいぐわんせらるる、あに偶然の結果ならんや。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)