愛翫あいぐわん)” の例文
雲飛うんぴといふ人は盆石ぼんせきを非常に愛翫あいぐわんした奇人きじんで、人々から石狂者いしきちがひと言はれて居たが、人が何と言はうと一さい頓着とんぢやくせず、めづらしい石の搜索さうさくにのみ日を送つて居た。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
古来偉大なる芸術の士は皆この独自の眼光を有し、おのづから独自の表現を成せり。ゴツホの向日葵ひまはりの写真版の今日こんにちもなほ愛翫あいぐわんせらるる、あに偶然の結果ならんや。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)