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筐
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はこ
ふりがな文庫
“
筐
(
はこ
)” の例文
あたかもこれを
筐中
(
きょうちゅう
)
に秘蔵するが如くせんとするも、天下、人を
蔵
(
おさむ
)
るの
筐
(
はこ
)
なし、一旦の機に逢うてたちまち破裂すべきをいかんせん。
経世の学、また講究すべし
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
きょうは止そう、きょうこそ通うことは止そうと、いまのいままで考えていながら身はすでに房の内に、花桐の衣裳の
筐
(
はこ
)
のかげに坐っていた。
花桐
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
間に十二因縁を
象
(
かたど
)
った十二の
筐
(
はこ
)
を置かした。十二の筐の蓋には白い
布
(
き
)
れが取り付けてあり、筐を繋ぎ並べると、一すじの白い道が通っているように見える。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
彼は机の
抽斗
(
ひきだし
)
から白い
天鵞絨
(
びろうど
)
の
筐
(
はこ
)
を出した。筐の中にはいっているのは細いプラティナの
指環
(
ゆびわ
)
だった。
彼 第二
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
朱塗
(
しゅぬり
)
の
筐
(
はこ
)
は、騒ぎが一段落済むまで平次が預かり、親の三右衛門がお町に大事を託した心持をくんで、勘当された
倅
(
せがれ
)
の三之助を石井家へ入れてやろうとしましたが
銭形平次捕物控:020 朱塗の筐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
安土竜太郎は
筐
(
はこ
)
からヴァイオリンを取出し、みんなは根来八千代を、擬大理石の卓の上へ押上た。
溜息の部屋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
脊に爪打ち込みしにはあらず。六日立たば、汝この雛を放ち遣りて、日の邊へ飛ばしめよ。斯くつぶやきつゝ、媼は壁の前なる
筐
(
はこ
)
を探りて、紙と筆とを取り出でつ。あな、やくなし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
金澤氏の年々受け得た所の二樣の鑑札は、蒼夫さんの家の
筐
(
はこ
)
に滿ちてゐる。鑑札は白木の札に墨書して、
烙印
(
らくいん
)
を押したものである。札は
孔
(
あな
)
を
穿
(
うが
)
ち
緒
(
を
)
を貫き、
覆
(
おほ
)
ふに
革袋
(
かはぶくろ
)
を以てしてある。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
小十郎が会津蘆名の旧領地の
図牒
(
ずちょう
)
の入って居る
筐
(
はこ
)
を開いて示した時には黙って開かせながら、米沢の伊達旧領の図牒の入っている筐を小十郎が開いて示そうとした時には、イヤそれには及び申さぬ
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
眞熊野の浦囘にさける
筐
(
はこ
)
柳われもたむけむ花の窟に
長塚節歌集:1 上
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
朱塗りの
筐
(
はこ
)
は、騷ぎが一段落濟むまで平次が預り、親の三右衞門がお町に大事を
託
(
たく
)
した心持をくんで、勘當された
伜
(
せがれ
)
の三之助を石井家へ入れてやらうとしましたが
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それから抱えていた
筐
(
はこ
)
を
膝
(
ひざ
)
の上に置いた。さしわたし五寸ばかりの円い
螺鈿
(
らでん
)
の筐で、紫の
丸紐
(
まるひも
)
が打ってある。女は紐を解き、蓋をあけて、中から
鬱金
(
うこん
)
木綿に包んだ物をとりだした。
葦
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
階段も棚も、おびただしい荷物の
筐
(
はこ
)
までが、はっきり分るようになって来た。
花桐
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
弾
(
だん
)
じほれたるイイダ姫は、暫く心附かでありしが、かの笛の音ふと耳に入りぬと覚しく
遽
(
にわか
)
にしらべを
乱
(
みだ
)
りて、楽器の
筐
(
はこ
)
も
砕
(
くだ
)
くるやうなる音をせさせ、座を起ちたるおもては、常より
蒼
(
あお
)
かりき。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それが赤紙の画扇の陰に、何か
筐
(
はこ
)
を隠してゐるのは、きつと侍従のした
糞
(
まり
)
を捨てに行く所に相違ない。その姿を一目見ると、突然平中の心の
中
(
うち
)
には、或大胆な決心が、稲妻のやうに
閃
(
ひらめ
)
き渡つた。
好色
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「あっ‼」という龍介君の叫声に、驚いて博士と大佐が駈けつけると、北向の壁の頂上が、龍介君の指の触れるままに、ぽっかりと口をあけて、そこから黒い四角な
筐
(
はこ
)
があらわれた。
危し‼ 潜水艦の秘密
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
弾
(
だん
)
じほれたるイイダ姫は、しばらく心づかでありしが、かの笛の音ふと耳に入りぬと覚しくにわかにしらべを乱りて、楽器の
筐
(
はこ
)
も砕くるようなる音をせさせ、座をたちたるおもては、常より蒼かりき。
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
“筐(
箱
)”の解説
箱(はこ、函、筥、匣、筐)は、物を入れるための容器の一種。貨物輸送に関する国連勧告「Recomendations on the Transport of Dangerous Goods」では、箱は「金属、木、合板、再生木材、ファイバ板、プラスチックその他の適当な材料で作られた、完全な方形または多角形の面で構成された容器」と定義されている。
(出典:Wikipedia)
筐
漢検1級
部首:⽵
12画
“筐”を含む語句
筐中
筐底
花筐
手筐
小筐
筐柳
遺筐
幾筐
弾丸筐
形見筐
抽筐
目無筐
藥筐
遺物筐
鉄筐
黒筐柳