“烙印”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
らくいん62.2%
やきいん33.3%
やきがね4.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はまた擦り直す。その時逆にした灰吹の口に近く指に当るところに磨滅した烙印らくいんで吐月峰としてあるのがいつも眼についた。
東海道五十三次 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「こら。おぬしたちは逃げる談合をしておるな。逃亡の企てをしたものには烙印やきいんをする。それがこの邸の掟じゃ。赤うなった鉄は熱いぞよ。」
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
日に焼けて、茶色になって、汗のすこし流れた其痛々敷いたいたしい額の上には、たしかに落魄という烙印やきがねが押しあててあった。悲しい追憶おもいでの情は、其時、自分の胸を突いて湧き上って来た。
朝飯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)