“客車”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きゃくしゃ35.7%
かくしや28.6%
はこ14.3%
かくしゃ14.3%
きやくしや7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その当時は、客車(きゃくしゃ)にさえ、うす暗い魚油灯(ぎょゆとう)をつけたもので、車掌室(しゃしょうしつ)はただ車掌の持(も)つシグナル・ランプで照(て)らされるばかりであった。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
長春(ちやうしゆん)から来て哈爾賓(ハルピン)で後(うしろ)へ二つ繋がれた客車(かくしや)の人をも交ぜて三十人余りの女の中で此(この)婦人が出色の人である。昼前にはもうどの男の室でも其(その)噂がされて居たらしい。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
と巡査は、その男の入つた客車(はこ)の方へあたふた駈けて往つたが、暫くすると、甚(ひど)く恐縮した顔をして帰つて来た。そして二度三度、カアネギイの前でお辞儀をした。
よく聞いて見て始めて了解したが、実は哈爾賓(ハルピン)へ接続する急行は、一週にたった二回しかないのだそうである。普通の客車(かくしゃ)でも、京浜間のようにむやみには出ない。一日にわずか二度か三度らしい。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
或(ある)曇(くも)つた冬(ふゆ)の日暮(ひぐれ)である。私(わたくし)は横須賀發(よこすかはつ)上(のぼ)り二等(とう)客車(きやくしや)の隅(すみ)に腰(こし)を下(おろ)して、ぼんやり發車(はつしや)の笛(ふえ)を待(ま)つてゐた。とうに電燈(でんとう)のついた客車(きやくしや)の中(なか)には、珍(めづ)らしく私(わたくし)の外(ほか)に一人(ひとり)も乘客(じようきやく)はゐなかつた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)