客車きゃくしゃ)” の例文
その当時は、客車きゃくしゃにさえ、うす暗い魚油灯ぎょゆとうをつけたもので、車掌室しゃしょうしつはただ車掌のつシグナル・ランプでらされるばかりであった。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
けれど、内部ないぶでは、やはり客車きゃくしゃっているひとたちとおなじようなことをいって、うわさをしていたにちがいありません。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
時間じかんいくかいとなく、貨車かしゃや、客車きゃくしゃ往復おうふくするために、ねつはっし、はげしく震動しんどうする線路せんろでも、ある時間じかんは、きわめてしんとして、つめたく白光しろびかりのする鋼鉄こうてつおもて
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
客車きゃくしゃまどからは、人々ひとびとあたまして、うみ景色けしきをながめながら、わらったり、はなしたりしていました。
負傷した線路と月 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ひいたな?」と、客車きゃくしゃっている人々ひとびとは、あたまして、そのほうながらいいました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そういえば、さっきたくさんの材木ざいもくと、こめだわらと、石炭せきたんと、なにかのはこを、いっぱい貨車かしゃんでいきました。そして、今日きょう客車きゃくしゃもいつもよりかながかったようでございました。
負傷した線路と月 (新字新仮名) / 小川未明(著)
汽車きしゃは、だんだんそのやまほうちかづいていきました。そして、あるえきいたときに、幸吉こうきちは、いままでってきた汽車きしゃわかれて、ほかの客車きゃくしゃえなければならなかったのです。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どうしたのだ?」といって、みんなは、客車きゃくしゃまどからあたまして、そとをのぞきました。運転手うんてんしゅや、その汽車きしゃ勤務員きんむいんは、車内しゃないからりて、前方ぜんぽう汽罐車きかんしゃほうかってけていきました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つき海岸かいがんという海岸かいがん野原のはらという野原のはらをさがしてまわりました。そして、いたるところに汽車きしゃはしっているのをみとめました。貨車かしゃばかりのもあれば、また客車きゃくしゃ貨車かしゃがまじっていたのもありました。
負傷した線路と月 (新字新仮名) / 小川未明(著)