“おさなご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
幼児41.7%
幼子23.6%
稚児11.1%
稚子6.9%
穉子4.2%
嬰児4.2%
穉児4.2%
孩児1.4%
孩子1.4%
稚兒1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あなたがたは恋人の心を直感するように敏捷びんしょうに、幼児おさなごを愛するように誠実に、時代の優良な新人物を選択することが出来るはずである。
鏡心灯語 抄 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
それも二三人、しかもやっと口をきけるほどの幼子おさなごまでいる。このお母さんはどうしたって未亡人ではない。
オカアサン (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)
ある瞳にきっと射られて、今物語った人とも覚えず、はっと思うと学生は、既に身を忘れ、名を忘れて、ただここのツばかりの稚児おさなごになった思いであった。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
きふまた雪枝ゆきえは、宛然さながら稚子おさなごるやうに、両掌りやうてさうしかてゝ、がつくり俯向うつむく、背中せなかくもかげくらした。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
男、おみな穉子おさなご等を嘲み笑はんとす。
産表に包まれたる嬰児おさなご(訳者注 幼児キリストのこと)を彼らは見いだしぬという文字のある破風のそびえている近くの四つつじかに、ある興行師の小屋があって
あてなしに大きく言った、が、いやな事はちっともない。どうして発見みいだしたかを怪しまれて、湾の口を横ぎって、穉児おさなごに船をがせつつ、自分が語ったは、まずそのとおり
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
母親からは父親は順吉が孩児おさなごの頃に死んだように聞かされていた。けれども順吉は母親に連れられて、父親の墓参りなどしたことは一度もなかった。順吉の姓は母親の姓なのである。
夕張の宿 (新字新仮名) / 小山清(著)
「『また孩子おさなごを取りて、彼等の中に立てて、さて‥‥』」
稚兒おさなごはゝよぶやうさしまねぎつ、坐敷ざしきにもらではるかにてば、松野まつのおもかろにあゆみをすゝめて、はや竹椽ちくえんのもとに一揖いつしふするを、糸子いとこかるくけて莞爾にこやかに、花莚はなむしろなかばけつゝ團扇うちわつてかぜおくれば
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)