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幼児
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おさなご
ふりがな文庫
“
幼児
(
おさなご
)” の例文
旧字:
幼兒
われわれの責任以外知る以外の
独自
(
どくじ
)
の立場を持っているおさなご、じつにわれわれの
幼児
(
おさなご
)
に対する思いは複雑でなくてはなりません。
おさなご
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
あなたがたは恋人の心を直感するように
敏捷
(
びんしょう
)
に、
幼児
(
おさなご
)
を愛するように誠実に、時代の優良な新人物を選択することが出来るはずである。
鏡心灯語 抄
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
さて
最初
(
さいしょ
)
地上
(
ちじょう
)
に
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でた
一人
(
ひとり
)
の
幼児
(
おさなご
)
——
無論
(
むろん
)
それは
力
(
ちから
)
も
弱
(
よわ
)
く、
智慧
(
ちえ
)
もとぼしく、そのままで
無事
(
ぶじ
)
に
生長
(
せいちょう
)
し
得
(
う
)
る
筈
(
はず
)
はございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
川音がタタと
鼓草
(
たんぽぽ
)
を打って花に日の光が動いたのである。濃く
香
(
かぐわ
)
しい、その
幾重
(
いくえ
)
の
花葩
(
はなびら
)
の
裡
(
うち
)
に、
幼児
(
おさなご
)
の姿は、二つながら吸われて消えた。
若菜のうち
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
親も兄弟も親戚もなんにもない、一人ぼっちの
幼児
(
おさなご
)
が、この世から、どんな待遇を受けるかということを、君達は知っているか。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
お市の方の泣き悲しむ様や、長政の
面
(
おもて
)
や、
幼児
(
おさなご
)
たちの無心なすがたや——どうも奥の様子が想像されてならなかった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
無心の
幼児
(
おさなご
)
がお文の名を呼びつづけるのを利用して、かれは
俄
(
にわか
)
かに怪談の作者となった。その偽りの怪談を口実にして、夫の家を去ろうとしたのであった。
半七捕物帳:01 お文の魂
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
まことに、このさびしい年寄と、
幼児
(
おさなご
)
、この二人だけが、心をつくして病気の犬を見守るのでした。小屋の隅には、枯草を山のように積んで、犬の寝床ができました。
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
人間に
尚
(
たっと
)
ぶべきは、聖書に「もし汝らひるがえりて
幼児
(
おさなご
)
のごとくならずば、天国に入るを得じ」
『グリム童話集』序
(新字新仮名)
/
金田鬼一
(著)
彼の光輝に満ちた笞は真理を生々しく語るものです。彼が
幼児をして
(
シニテ・パルヴュロス
)
(訳者注 幼児をして我にきたらしめよ)と叫んだ時、彼は
幼児
(
おさなご
)
の間に何らの区別をも立てなかった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
眠りに入るとすぐ、満山の緑
清冽
(
せいれつ
)
な小川の縁を、酔っぴて
幼児
(
おさなご
)
となって駈けまわるのである。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
なんでも其の顔付は、極端な腎臓病に
罹
(
かか
)
っているような徴候らしくあった。それだのにこうして医者にも見せずにしかも
幼児
(
おさなご
)
の守をさして置くのは
畢竟
(
ひっきょう
)
貧しいが為ではなかろうか。
ある日の午後
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
幼児
(
おさなご
)
のことだから、埋葬の準備も成るべく省くことにして、医者の診断書を貰うことだの、警察や村役場へ届けることだの、近くにある寺の墓地を買うことだの、大抵のことは自分で仕末した。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
例
(
たと
)
へば床の浄瑠璃の「
後
(
あと
)
には
一人
(
ひとり
)
母親が」とかあるひは「すかせばすやすや
幼児
(
おさなご
)
が」といふが如きは文字の上より見れば全く無用の説明に相違なしといへどもその語る節廻と合ノ手とは決して然らざるものなり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そして、ただ
幼児
(
おさなご
)
のように楽しく遊んでいると聞く。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
我意
(
がい
)
を通そうとするみにくい泣き顔、人前にはかくしておきたい悲しい動作を、その
幼児
(
おさなご
)
のさまざまの生活の場面にみないでしょうか。
おさなご
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
トコトン/\、はらり/\、くるりと廻り、ぶんと飛んで、座は
唯
(
ただ
)
蠅で
蔽
(
おお
)
はれて、
果
(
はて
)
は
夥
(
おびただ
)
しい
哉
(
かな
)
渦
(
うずま
)
く中に、
幼児
(
おさなご
)
は息が
留
(
とま
)
つた。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「三名して、
夫人
(
おく
)
と
幼児
(
おさなご
)
たちの身をまもり、木下藤吉郎を案内として、
疾
(
と
)
く、城外へ落ちのびよ。すぐ行けッ」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
通行人の同情を惹く為に、乞食に傭われた
幼児
(
おさなご
)
が、どんなに巧みにひもじさを装い、側に立っている大人乞食を、さも自分の親であるかの如くに装うことが出来るか。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
誰
(
だれ
)
かが
傍
(
そば
)
から
世話
(
せわ
)
をしてくれなければとても三
日
(
か
)
とは
生
(
い
)
きて
居
(
お
)
られる
筈
(
はず
)
はございませぬ。そのお
世話掛
(
せわがかり
)
がつまり
守護霊
(
しゅごれい
)
と
申
(
もう
)
すもので、
蔭
(
かげ
)
から
幼児
(
おさなご
)
の
保護
(
ほご
)
に
当
(
あた
)
るのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
この犬一ぴきが、彼等——老いぼれた不具者と
頑是
(
がんぜ
)
ない
幼児
(
おさなご
)
——にとっては、ただ一人の稼ぎ人、ただ一人の友達、ただ一人の相談相手、杖とも柱ともたのむ、ただ一つの頼りなのでした。
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
偶然
(
ふと
)
した北の故郷にあった
幼児
(
おさなご
)
の昔を懐想して、黄色な雲——灰色の空——白衣の行者——波の音——眼に尚お残っている
其等
(
それら
)
の幻が私の心から
拭
(
ぬぐ
)
い去られないで、いかにも神秘に感ぜられる。
北の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
打騒ぐ
幼児
(
おさなご
)
の
甲高
(
かんだか
)
くやさしき叫び。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
これに
眩
(
めくる
)
めいたものであろう、
啊呀
(
あな
)
忌
(
いま
)
わし、よみじの(ことづけ)を
籠
(
こ
)
めたる獅子を、と見る内に、
幼児
(
おさなご
)
は見えなくなった。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
幼児
(
おさなご
)
はまたわれらのよろこびであります。それはだれでも知っています。それゆえに私たちは、彼らにひきつけられて、そうして彼らを愛します。
おさなご
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
だが、彼にはただひと粒の
幼児
(
おさなご
)
、巌之助があった。この
頑是
(
がんぜ
)
ないものまでを、死なすにはしのびない。また武門の意義を負わせるには——余りにもまだ年少すぎる。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところが進一少年の様な
幼児
(
おさなご
)
となると、問題は別です。骨の細い幼児なら、あすこをくぐって、部屋へ出入りすることが出来るのです。アア何という巧みな思いつきでしょう。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
が、
一人
(
ひとり
)
の
幼児
(
おさなご
)
が
母胎
(
ぼたい
)
に
宿
(
やど
)
った
時
(
とき
)
に、
同一系統
(
どういつけいとう
)
の
竜神
(
りゅうじん
)
がその
幼児
(
おさなご
)
の
守護霊
(
しゅごれい
)
又
(
また
)
は
司配霊
(
しはいれい
)
として
働
(
はたら
)
くことは
決
(
けっ
)
して
珍
(
めず
)
らしいことでもない。それが
竜神
(
りゅうじん
)
として
大切
(
たいせつ
)
な
修業
(
しゅぎょう
)
の
一
(
ひと
)
つでもあるのじゃ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
さしたての
潮
(
しお
)
が澄んでいるから
差
(
さ
)
し
覗
(
のぞ
)
くとよく分かった——
幼児
(
おさなご
)
の
拳
(
こぶし
)
ほどで、ふわふわと
泡
(
あわ
)
を
束
(
つか
)
ねた形。
海の使者
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして、自分で白い胸をはだけると、寝ている
幼児
(
おさなご
)
の
唇
(
くち
)
へ、
強
(
し
)
いるように、乳ぶさをふくませ
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
都会の新式の家にすむ知識階級の母親から、農村の
茅屋
(
ぼうおく
)
にすんでいる母親まで、赤ん坊や
幼児
(
おさなご
)
の強い自力に気がついていないことにおいては、全然同一ではないかと思われます。
おさなごを発見せよ
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
細い乳を含めて
遣
(
や
)
る、
幼児
(
おさなご
)
が玉のような顔を見ては、世に何等かの大不平あってしかりしがごとき母親が我慢の角も折れたかして、涙で半襟の紫の色の
褪
(
あ
)
せるのも
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
官兵衛は、早速、平井山へもどると、秀吉の前に出て、敵将から託されたこの
幼児
(
おさなご
)
を見せた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
陽気はそれでも
可
(
よ
)
かったが、泳ぎは知らぬ
児
(
こ
)
と見える。
唯
(
ただ
)
勢
(
いきおい
)
よく、水を逆に
刎
(
は
)
ね返した。手でなぐって、足で踏むを、海水は
稲妻
(
いなずま
)
のように
幼児
(
おさなご
)
を包んでその左右へ飛んだ。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それと、当時、世人の
賞
(
ほ
)
め
者
(
もの
)
となって、ひそかに涙をそそがれたのは、荒木久左衛門の息子で十四歳になる少年と、伊丹安太夫の
伜
(
せがれ
)
のわずか八歳といういたいけな
幼児
(
おさなご
)
だった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玉日は、乳をすう
幼児
(
おさなご
)
の顔をじっと見ていた。自分が一つの
母胎
(
ぼたい
)
であると共に、良人が、億万の民衆に愛と安心の乳をそそぐ偉大な
母胎
(
ぼたい
)
でなければならないことがよく分った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
座に着いて、針箱の
引出
(
ひきだし
)
から、
一糸
(
いっし
)
其の色
紅
(
くれない
)
なるが、
幼児
(
おさなご
)
の胸にかゝつて居るのを見て
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
されば
幼児
(
おさなご
)
が拾っても、われらが砂から掘り出しても、このものいわぬは
同一
(
おなじ
)
である。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なぜならば、もういつもの半狂乱のていになった田弓は、そこに仲よく遊んでいる
頑是
(
がんぜ
)
ない二人の
幼児
(
おさなご
)
を、
縊
(
し
)
め
殺
(
ころ
)
しかねない血相で抱きしめ、手に、懐剣を抜いているからだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
棟瓦
(
むねがわら
)
をひらりと
跨
(
また
)
いで、高く、高く、雲の白きが、
微
(
かすか
)
に動いて、
瑠璃色
(
るりいろ
)
に
澄渡
(
すみわた
)
った空を仰ぐ時は、あの、夕立の夜を
思出
(
おもいだ
)
す……そして、美しく清らかな母の懐にある
幼児
(
おさなご
)
の身にあこがれた。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして、邸内の草茫々たる一隅には、
幼児
(
おさなご
)
のおむつが干してあったり、幼子が、食物をねだって泣きぬいている声までが——やしきは広いが——何となくつつ抜けに、風も一しょに通っている。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一個
(
ひとり
)
の
幼児
(
おさなご
)
を抱きたるが、
夜深
(
よふ
)
けの人目なきに心を許しけん、帯を解きてその幼児を膚に引き
緊
(
し
)
め、着たる
襤褸
(
らんる
)
の綿入れを
衾
(
ふすま
)
となして、少しにても多量の暖を与えんとせる、母の心はいかなるべき。
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
長政はこれにおるが、何も知らぬ
幼児
(
おさなご
)
の
生命
(
いのち
)
を
扼
(
やく
)
して、ものをいおうとは、卑劣ないたし方。そちも織田家の一方の将、木下藤吉郎というほどの者ならば、さような
奸策
(
かんさく
)
はみずからに恥じたがいい。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
指で
環
(
わ
)
を
拵
(
こしら
)
えたような、小さな
玩弄
(
おもちゃ
)
の緑の
天鵝絨
(
びろうど
)
の
蟇口
(
がまぐち
)
を引出して、パチンとあけて、
幼児
(
おさなご
)
が袂の中を
覗
(
のぞ
)
くように、あどけなく、嬉しそうに、ぱっちりした目を細めて見ながら、
一片
(
ひとひら
)
の、銀の小粒を
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“幼児(乳幼児)”の解説
乳幼児(にゅうようじ)は、乳児と幼児を合わせた呼び名。乳児は児童福祉法では、生後0日から満1歳未満までの子をいい、幼児は、満1歳から小学校就学までの子供のことをいう。
(出典:Wikipedia)
幼
常用漢字
小6
部首:⼳
5画
児
常用漢字
小4
部首:⼉
7画
“幼児”で始まる語句
幼児等
幼児をして