“一糸”の読み方と例文
読み方割合
いっし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
面目の髣髴ほうふつたる今日からさかのぼって、科学の法則を、想像だも及ばざる昔に引張ひっぱれば、一糸いっしも乱れぬ普遍の理で、山は山となり、水は水となったものには違かなろうが
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
座に着いて、針箱の引出ひきだしから、一糸いっし其の色くれないなるが、幼児おさなごの胸にかゝつて居るのを見て
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
彼らは我々の目の前に、一糸いっしまとわぬ、赤裸々せきららの姿を見せてはいますけれど、まだ羞恥しゅうちの着物までは、脱ぎすてていないのです。それは人目を意識した、不自然な姿に過ぎないのです。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)