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幼子
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おさなご
ふりがな文庫
“
幼子
(
おさなご
)” の例文
いや、乳の香ふかく、ふところに眠っていた
幼子
(
おさなご
)
へ、母の頬をすりよせたまま、涙の面を上げなかった彼女のほんとの意志は
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それも二三人、しかもやっと口をきけるほどの
幼子
(
おさなご
)
までいる。このお母さんはどうしたって未亡人ではない。
オカアサン
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
次の部屋の
真中
(
まんなか
)
で、盆に向って、
飯鉢
(
おはち
)
と茶の土瓶を引寄せて、
此方
(
こなた
)
の
灯
(
あかり
)
を頼りにして、
幼子
(
おさなご
)
が独り飯食う秋の暮、という形で、
掻
(
か
)
っ込んでいた、
哀
(
あわれ
)
な
雛妓
(
おしゃく
)
が
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わたしは黒々としたもみの木に、くっきりとした長い
影
(
かげ
)
を岩の上へ投げかけさせました。わたしは
幼子
(
おさなご
)
イエスを
肩
(
かた
)
にのせた聖クリストファの画像をながめました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
全く目があかないほど眠いのであった。
幼子
(
おさなご
)
が夕食を食べながら居眠るように、幾日か続いた強行軍で、兵士が歩きながら眠るように、それと同じく眠いのであった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
▼ もっと見る
あたしは
聖母
(
せいぼ
)
マリア、
幼子
(
おさなご
)
キリストの母です。おまえは
貧乏
(
びんぼう
)
で、その日のものにもこまっていますね。あたしのところへおまえの子どもをつれていらっしゃい。あたしがその子を
マリアの子ども
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
いや、それよりはこれまでのどの仏菩薩の
御像
(
おすがた
)
にも似ていないのでございます。別してあの
赤裸
(
あかはだか
)
の
幼子
(
おさなご
)
を
抱
(
いだ
)
いて
居
(
お
)
るけうとさは、とんと人間の肉を
食
(
は
)
む
女夜叉
(
にょやしゃ
)
のようだとも申しましょうか。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
厭
(
いと
)
うべくきらうべく、面に
唾
(
つば
)
きをしようと思うばかりだとも言い、かかるともがらと大事を語るのは、
幼子
(
おさなご
)
にむかって天を論ずるが如きものだ、思えば自分ながら我も敵を知らざる事の甚だしきだと
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
祥子
(
さちこ
)
と同い年でも、ずっと小柄な、いたいけな
幼子
(
おさなご
)
が、白く濃く白粉を塗り、青く光るほど紅を塗って、人形のようなおかっぱで、重たい衣裳をつけて、踊る舞台は、佐四郎人形を見るようであった。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
今になっても、時々範宴を子ども扱いするように、玉日をも、
幼子
(
おさなご
)
のままに見て、膝の上へでも乗せそうに呼ぶのであった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なにしろ、きょうは
聖母
(
せいぼ
)
さまの日だろう、聖母さまが
幼子
(
おさなご
)
キリストさまの
肌着
(
はだぎ
)
をせんたくして、かわかそうという日だからね。ところが、あしたの
日曜
(
にちよう
)
には、お
客
(
きゃく
)
さんがおおぜいくる。
ブレーメンの音楽師
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
その下に、女たちや、
幼子
(
おさなご
)
の悲鳴が聞えた。年景の
側女
(
そばめ
)
だの、家族たちのいる棟へも、とうに火は移っていたのである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると、煙の裡に、泣きさけぶ
嬰児
(
あかご
)
の声が聞えた。見ると、年景の妻が、
幼子
(
おさなご
)
の手をひいて、発狂したように、炎へ向って、なにかさけんでいるのだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もし敵の手に捕われて、そちが
敢
(
あ
)
えなき死をとげた場合は、あとに
遺
(
のこ
)
る妻や
幼子
(
おさなご
)
のことなど必ず案じるなよ。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たとえば、高氏が鎌倉に残してきた妻の
登子
(
とうこ
)
や
幼子
(
おさなご
)
たちの未解決な運命などもこれからの課題である。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
幼子
(
おさなご
)
らは、何も知らないのだ。母とも一つには住めぬことになる。留守中、泣かぬように遊び相手になってくれい。そうだ今のうちに、子供らへも、父からひと
言
(
こと
)
」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後白河法皇の皇子八条宮に坊官として仕えている
卿公
(
きょうのきみ
)
円済というのはそのむかし、平治の乱の雪の日、
常磐
(
ときわ
)
の手にひかれて生死をさまよい歩いた
幼子
(
おさなご
)
たち三人のうちの一人なのである。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ここを追われて行ったからには、
大和
(
やまと
)
の龍門にいる身寄りしか、
他
(
ほか
)
に頼ってゆく家はない筈だ。……乳呑みを抱いていたか、
幼子
(
おさなご
)
を手に曳いていたか。よしっ、まだ遠くへは落ちまい」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私にも、
幼子
(
おさなご
)
がありまする。どういうものか、生れつきの
脾弱
(
ひよわ
)
で、この十日程まえからまた、寝ついたきりで、
食
(
しょく
)
も細るばかりゆえ、さる所へ、祈願を籠めに
詣
(
まい
)
った途中でございまする。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平治の乱の後、彼は彼の意志で、一族の反対にもかかわらず、牛若たち三人の
幼子
(
おさなご
)
は助けている。つづいて頼朝の助命は、一に池ノ禅尼の命乞いによると、従来の歴史ではきめられている。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幼
常用漢字
小6
部首:⼳
5画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“幼”で始まる語句
幼
幼児
幼少
幼稚
幼馴染
幼心
幼兒
幼穉
幼稚園
幼顔