“をさなご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
幼兒26.8%
幼児14.6%
稚兒14.6%
幼子12.2%
稚子7.3%
嬰兒4.9%
稚児4.9%
穉子4.9%
穉兒2.4%
嬰鬼2.4%
孩児2.4%
穉児2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
われらを愛する者、人誰か愛せざらむ、わが心、救世主すくひぬしを見て、躍り喜ぶ。もろ/\の信者たちきたれ、われらが爲に生れ出で給ふこの幼兒をさなごたつとうやまはむ。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
すると幼児をさなごは大尉が革紐に吊つてゐた、銀象嵌入りの赤い煙管とピカピカ光る燧鉄うちがねの入つた巾着を見て、いたいけな両手をさしのべて、にこにこと笑つた。
女子をなご太息といきむねくもして、つきもるまどひきたつれば、おとざめて泣出なきいづる稚兒をさなごを、あはれ可愛かはゆしいかなるゆめつるちゝまゐらせんとふところあくればみてさぐるもにくからず
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
温かき南の島の幼子をさなごが夢のかずかず。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
くれにむかひてすゝむ日のなほ殘せる路の長さは、たえず戲るゝこと稚子をさなごのごとき球のうち 一—
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
續いてまた、汝の貧しかりしことは汝が汝の聖なる嬰兒をさなごを臥さしめしかの客舍にあらはるといひ 二二—二四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
朝な朝な正信偈しやうしんげよむ稚児をさなごおやあらなくにこゑ楽しかり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
他の二人は本所三目みつめの上屋敷にゐた井上栄三えいさんの母と穉子をさなごとであつた。栄三の母は子を抱いて死んでゐた。其他同じ上屋敷の平井東堂の家では婢が一人死んだ。平井の事は前に渋江抽斎伝中に記した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
紅の上衣を頂より被りて、一人の穉兒をさなごには乳房をふくませ、一人の稍〻年たけたる子をば、腰のあたりなるの中に睡らせたる女あり。
われうけがはねば、この少女しば/\武を用ゐき。或る日われまた脅されて泣き出しゝに、さては猶穉兒をさなごなりけり、乳房ふくませずては、啼き止むまじ、とて我を掻き抱かむとす。
汝等は無明の慾に迷ひ、あたかも死ぬるばかりにゑつゝ乳母めのとを逐ひやる嬰鬼をさなごの如くなりたり 一三九—一四一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
孩児をさなごの手ざはりのごとき
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
奥の方なる林の中より若き女の穉児をさなごを負ひたるが笹原の上を歩みてこちらへ来るなり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)