幼児をさなご)” の例文
旧字:幼兒
幼児をさなごたちはみな十字架クルス背負しよつて、しゆきみつかたてまつる。してみるとそのからだしゆ御体おんからだ、あたしにけてくださらなかつたその御体おんからだだ。
すると幼児をさなごは大尉が革紐に吊つてゐた、銀象嵌入りの赤い煙管とピカピカ光る燧鉄うちがねの入つた巾着を見て、いたいけな両手をさしのべて、にこにこと笑つた。
親切な今の良人をつとこの若い未亡人びばうじん幼児をさなごとを助けたいめに進んで結婚を求めたのであつたと夫人が語られた。同じく食堂には薄桃色をした鸚鵡あうむの籠が吊されて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
幼児をさなごのごとわなゝきて
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
幼児をさなご
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そも/\われは寄辺よるべない浮浪学生ふらうがくしやう御主おんあるじ御名みなによりて、もり大路おほぢに、日々にちにちかてある難渋なんじふ学徒がくとである。おのれいまかたじけなくもたふと光景けしき幼児をさなご言葉ことばいた。
これがわざわざ広場プラスや公園の真中まんなかに設けられずに、古ぼけた街裏まちうらの狭い辻角に建つて居るのも附近の民家の幼児をさなご一寸ちよつと横町の塀下へいしたで立小便をして居るのと同じ感じであるのを面白いと思つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ことつたら御覧ごらんになつたかもれないが、幼児をさなごのことゆゑ、けてやらねばなるまい。真昼時まひるどきおもくなる。ものみなこと/″\しろつぽい。しかあれかし、亜孟アメン
地上ちじやうにあつて、この蒼白あをじろ苦患くげん取巻とりまかれてゐるわがは、いまこの無垢むくつてゐるしゆ幼児をさなごくび吸取すひとつてやらうと、こゝまで見張みはつてたのである。
さあ、ぐつすりるとしよう。耶蘇イエススよ。十字架クルスふあのしろ幼児をさなごたちをも、夜々よるよるむらしたまへ。われまことにかくねがたてまつる。あゝむくなつた。われまことにかくねがたてまつる。
しゆはあたしにくださらなかつたので、しゆぞくするものつかまへたくなつてたまらない。さてこそ、あたしは、ヷンドオムのから、このロアアルのもりりて幼児をさなごたちをけてた。